「要支援だとショートステイは使えないのでは?」と、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、要支援と認定された方でもショートステイの利用は可能です。
この記事では、要支援と認定された方がショートステイを利用するための条件や、サービスの概要をくわしく解説します。
おおまかな費用や手続きの流れについても紹介しているため、ショートステイの利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
要支援はショートステイを利用できる!サービスを紹介
要支援と認定された方でも、ショートステイの利用は可能です。
ここでは、ショートステイのサービス概要や種類、利用するための条件について紹介します。
【概要】短い期間施設に入所して介護サービスを受ける
そもそもショートステイとは、自宅における介護が一時的に困難になった際に、短期間施設に入所して機能訓練やサポートを受けられる介護サービスです。
一般的に1日〜1週間程度、最長でも30日までと期間が定められています。
ショートステイで受けられるサービスは、以下の通りです。
- 食事・入浴・排泄における介助
- 機能訓練
- レクリエーション
利用したいタイミングでケアマネージャーに相談し、施設の選定と申し込み、契約後にショートステイの利用を開始できます。
【種類】3種類に分けられる
ショートステイは、以下の「3種類」に分類されます。
短期入所生活介護 | 短期入所療養介護 | 介護保険適用外のショートステイ | |
---|---|---|---|
対象 | 要支援・要介護認定を受けた方 | 要支援・要介護認定を受け、医療的ケアを必要としている方 | 自立と認定された方 |
利用できる施設 | ・特別養護老人ホーム ・有料老人ホーム(一部) ・ショートステイ専門施設 |
・介護老人保健施設 ・介護療養型医療施設 |
・有料老人ホーム ・サービス付き高齢者向け住宅 |
おもなサービス | ・食事・入浴・排泄における介助 ・レクリエーション ・リハビリなど |
・食事・入浴・排泄における介助 ・投薬 ・喀痰吸引 ・機能訓練など |
・食事・入浴・排泄における介助 ・レクリエーション ・リハビリなど |
ショートステイを利用するにあたり、原則として要介護認定を受けている必要があります。
そのなかでも、介護保険の適用を希望される方は、要支援1〜2または要介護1〜5と認定を受けたうえで対象の施設に申し込まなければなりません。
一方で、介護保険適用外のショートステイであれば、自立と認定された方でも利用可能です。
ただし、費用は実費負担となるため注意しましょう。
【条件】介護保険の適用有無で異なる
ショートステイを利用できる条件は、介護保険の適用有無で異なります。
介護保険の適用有無 | ショートステイの種類 | 条件 |
---|---|---|
適用あり | ・短期入所生活介護 ・短期入所療養介護 |
・要支援または要介護の認定を受けた65歳以上 ・特定疾病により要介護認定を受けた40〜64歳 |
適用なし | 上記以外のショートステイ | ・原則65歳以上 ・要介護度における自立と認定された人でも利用可能な施設あり |
ショートステイは、原則65歳以上でなければ利用できません。
ただし、特定疾病により要介護認定を受けた方であれば65歳未満でも利用できます。
【タイミング】介護者の休息や本人の体調悪化など
ショートステイは条件を満たしていれば、必要なタイミングで利用可能です。
おもな利用タイミングとして、以下の例を参考にしてください。
利用するタイミングの例 | |
---|---|
本人 | ・自宅における介護を一時的に受けられないとき ・心身の体調や病状が不安定、悪化したとき ・生活機能の維持や改善が必要だと感じたとき ・将来の施設入居を見据えて、ショートステイを活用して施設の雰囲気を確認したいとき |
家族(介護者) | ・仕事や冠婚葬祭などで一時的に介護できないとき ・体調を崩したとき ・介護から離れてリフレッシュしたいとき |
ショートステイは、介護者の休息(レスパイト※)目的でも活用できます。※休息や息抜きを意味する
介護サービスは、介護を受ける高齢者本人の日常生活におけるサポートや機能訓練のほか、在宅で介護をする家族の負担軽減のためにも提供されています。
ショートステイや日帰りで利用できるデイサービスなどを適切に活用して、介護疲れを予防していくことが大切です。
なお、ショートステイ先の施設選びに悩んでいる方には、あなたらしくの活用がおすすめです。
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ショートステイの費用相場
ショートステイの費用は、自己負担1割の場合で、1泊あたり「3,000〜7,000円程度」が目安です。
全体の費用のうち、基本料金とサービス加算分は介護保険が適用されますが、日常生活費は介護保険が適用されないため自己負担となります。
厚生労働省の公式サイトを参考に、施設・部屋の種類別にサービス費用と日常生活費を以下の表にまとめました。
施設の種類 | 部屋のタイプ | サービス費用 ※自己負担額が 1割の場合 |
日常生活費 |
---|---|---|---|
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) ※短期入所生活介護の場合 |
ユニット型個室 | 要支援1:561円 要支援2:681円 |
3,511円 ・食費:1,445円 ・居住費:2,066円 |
ユニット型個室的多床室 | 要支援1:451円 要支援2:561円 |
3,173円 ・食費:1,445円 ・居住費:1,728円 |
|
従来型個室 | 要支援1:479円 要支援2:596円 |
2,676円 ・食費:1,445円 ・居住費:1,231円 |
|
併設型・多床室 | 要支援1:451円 要支援2:561円 |
2,360円 ・食費:1,445円 ・居住費:915円 |
|
介護老人保健施設 ※短期入所療養介護の場合 |
ユニット型個室 【基本型】 |
要支援1:624円 要支援2:789円 |
3,511円 ・食費:1,445円 ・居住費:2,066円 |
ユニット型個室的多床室 【基本型】 |
要支援1:624円 要支援2:789円 |
3,173円 ・食費:1,445円 ・居住費:1,728円 |
|
従来型個室 【基本型】 |
要支援1:579円 要支援2:726円 |
3,173円 ・食費:1,445円 ・居住費:1,728円 |
|
多床室 【基本型】 |
要支援1:613円 要支援2:774円 |
1,882円 ・食費:1,445円 ・居住費:437円 |
※参照:介護報酬の算定構造|厚生労働省
※参照:サービスにかかる利用料|介護保険の解説|介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報公表システム」
実際は、施設の種類や部屋のタイプ、所得などによって料金が異なるため、ケアマネージャーに相談しながら利用する施設を選定しましょう。
ショートステイを利用するまでの流れ
「要支援でもショートステイを利用できるとわかったけど、どうやって手続きすればいいのだろう」と悩んでいる方も多いでしょう。
ここからは、ショートステイを利用するまでの流れを解説します。
すでに要支援と認定されている方は、担当のケアマネジャーに相談するところから参考にしてください。
1.要支援・要介護認定を受ける
ショートステイの利用には、原則として自治体の要介護認定を受けている必要があります。
認定には1ヶ月程度かかるケースが多いため、余裕を持って申請しましょう。
ショートステイは、要支援1〜2、要介護1〜5の認定を受けると利用できます。
なお、介護保険適用外のショートステイであれば、自立と認定された方でも活用可能です。
2.ケアマネージャーに相談しケアプランを作成してもらう
要介護認定を受けたあとは、ケアマネージャーに相談し、ケアプラン(介護サービス計画書)の作成を依頼しましょう。
要介護度と本人の心身の状態などを含めて、ケアマネージャーが最適な介護サービスや施設を選定してくれます。
基本的に、ケアプランに記載されていない介護サービスは利用できません。
ショートステイの場合、利用期間によってケアプランの作成可否が異なります。
ケアプランの作成 | 利用期間 |
---|---|
必要 | ・連続して4日以上の利用 ・3泊4日以上の滞在 ※半日利用でも1日とカウント |
不要 | ・2日間の利用が月2回 ・連続3日以内の利用 ・2泊3日までの短期利用 |
なお、連続4日未満の利用であってもケアプランを作成するケースもあります。
上記の表を参考にケアマネージャーに相談し、状況に応じてケアプランの作成を依頼してください。
3.ショートステイ施設を選ぶ
ケアプランの作成後、実際に利用する施設を選びます。
施設を比較する際は、以下のポイントを確認するのがおすすめです。
- 立地・送迎サービスの有無
- サービス内容・費用
- 施設やスタッフの雰囲気
ケアプランをもとに、予算内で希望するサービスを受けられる施設を選びましょう。
4.利用申し込みと契約
施設の選定後、必要書類を揃えて利用申し込みをします。
施設側で審査をしたあと、契約後にショートステイの利用が開始となります。
ショートステイの活用で要支援認定の介護を乗り切ろう
要支援でもショートステイを活用して、本人の生活機能の維持や改善のほか、家族の介護疲れを予防できます。
介護保険の適用有無で条件や費用が異なるため、まずは担当のケアマネージャーに相談するのがおすすめです。
実際にショートステイの利用を希望する施設選びに悩んだら、あなたらしくのサービスも活用してみましょう。
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