訪問入浴介護の利用条件は?サービス内容や利用すべきケースを紹介

2025年6月3日

訪問入浴介護の利用条件は?サービス内容や利用すべきケースを紹介

訪問入浴介護とは、サービスを提供する事業所のスタッフが、訪問入浴車という特殊な車両で利用者の自宅を訪れ、利用者の自室などで持参した浴槽を使用して入浴させてくれるサービスです。

 

訪問入浴介護を利用するには、要介護1~5(一部要支援者も対象)に該当していること、担当医からの入浴許可を得ていることなど、いくつかの条件を満たす必要があります。

 

今回は訪問入浴介護で受けられるサービスや利用条件、利用すべきケースについて紹介します。

 

 

訪問入浴介護のサービス内容

訪問入浴介護のサービス内容
 

訪問入浴介護のサービス内容を、当日の流れとともに解説します。

 

スタッフが利用者の自宅を訪れる

 
サービス利用の当日は、看護師1名・介護職員2名が利用者の自宅を訪れます

 

入浴に必要なシャンプーやボディソープ、タオルなどは、多くの場合事業所が準備してくれます。

 

利用者側では入浴後の利用者の着替えを準備しておき、水分補給が必要であれば水なども用意しておくと良いでしょう。

 

利用者が普段使い慣れているシャンプーや入浴剤、軟こうの使用もできます。

 

希望する場合はあらかじめ、事業所に伝えておきましょう。

 

看護師による入浴前の健康チェック

 
利用者が入浴しても大丈夫かどうか、健康状態を看護師が入浴前にチェックします。

 

血圧・脈拍・体温などを測定しますが、体調不良が確認されれば部分浴や清拭(せいしき)にサービスを変更したり、入浴を中止して医療機関へ誘導したりする場合もあります。

 

入浴の準備

 
利用者が入浴できるコンディションが確認できれば、スタッフが、浴槽の準備や利用者が服を脱ぐサポートを行います。

 

浴槽は、利用者のベッドと同じ部屋に設置することが一般的です。

 

防水マットを床に敷くため、水はねなどの心配はありません。

 

浴槽は2畳ほどのスペースがあれば設置可能です。

 

部屋の家具を移動する場合もありますが、スペースさえ確保できれば一軒家に限らず、団地やマンションなどの共同住宅でもサービスが利用できます。

 

入浴に使うお湯は、事業所からお湯の入ったタンクを持参する、訪問入浴車に搭載されているボイラーで沸かして使用する、利用者の自宅の水道から給湯するなどの方法で用意します。

 

給湯する方法は複数あるため、さまざまな住宅タイプでサービス利用が可能です。

 

事業所によっては、天然温泉を使用したり、その日の気分に合わせたさまざまな入浴剤やアロマなどを取り入れたり、独自性のあるサービスを提供しているところもあります。

 

サービス内容によって事業所を選ぶのも良いでしょう。

 

浴槽に移動して入浴開始

 
利用者をベッドから浴槽へ移動させ、入浴を開始します。

 

入浴中は体と髪を洗いながら、利用者の肌の状態に問題がないか、スタッフによるチェックも行います。

 

入浴の最後は、シャワーでお湯をかける上がり湯を行って仕上げです。

 

全身浴ができない場合は、シャワーなどで体の一部のみをお湯につける、部分浴を行います。

 

全身がお湯につかれなくても、洗髪や陰部の洗浄、手足のみの入浴などが可能です。

 

また、利用者が体調不良の場合は入浴できないため、全身を湿らせたタオルで拭く、清拭に切り替える場合もあります。

 

着替えと入浴後の健康チェック

 
利用者を浴槽からベッドへ移動させ、看護師が利用者の着替えと入浴後の健康チェックを行います。

 

健康チェックでは入浴前と同じ、血圧・脈拍・体温測定の他、入浴によって体調に変化が出ていないか、異常がないかの確認も行ってくれます。

 

入浴後は、湿布を貼ってもらう、軟こうを塗ってもらうなど、入浴と関係のあるサービスならスタッフから受けることが可能です。

 

しかし、入浴とは関係のない医療行為である、褥瘡(じょくそう=床ずれ)のケアや痰の吸引などの医療行為は受けられません。

 

事業所によっては、利用者の肌の保湿ケア・爪切りなども行ってくれるところもあります。

 

後片付け

 
看護師が利用者の着替えと健康チェックを行っている間に、残りのスタッフで後片付けを行います。>

 

浴槽やシャワーで使ったお湯は、利用者の自宅の浴室排水口やトイレに流します。

 

その後、浴槽や使用した物の後片付けを行って終了です。

 

訪問入浴介護では入浴準備から最後の後片付けまで含めて、50分程度の時間がかかります。

 

かかる時間は利用者の当日の健康状態や、入浴後にどんなサービスを受けるかによって変わるため、利用する際は時間に余裕を持っておきましょう。

 

訪問入浴介護の利用条件

訪問入浴介護の利用条件
 

サービスの利用にはいくつかの条件があります。

 

要介護1~5のいずれかに該当する

 
訪問入浴介護は、要介護1~5のいずれかに該当する方が利用できます。

 

介護保険を利用するため、利用者は費用の1割(所得に応じて2割・3割)負担でサービスを受けられます。

 

要支援1・2の方でも、自宅に浴室がないなど一定の要件に該当していれば、介護予防訪問入浴介護というサービスが利用可能です。

 

提供されるサービスは訪問入浴介護と同様ですが、介護予防の観点から、顔や身体の前面は自分で洗うなど、利用者が自分でできることは自分で行うスタイルを重視しています。

 

そのため、訪問するのは看護師と介護職員の計2名のみとなっています。

 

担当医から入浴許可をもらっている

 
担当医から入浴しても良いと許可をもらえれば、訪問入浴介護を利用できます。

 

入浴することができない血圧数値などもあるため、利用者が入浴しても問題がないか、担当医から具体的な指示書が出され、指示書に基づいてサービスが提供されます。

 

サービスの開始後、事業者から担当医に入浴の許可確認が行われるため、必ず担当医から許可をもらっておきましょう。

 

なお、人工呼吸器やストーマなどの医療機器を使用している方でも、担当医の許可があればサービスを利用できます。

 

ケアプランを作成してもらっている

 
サービスの利用にはケアプランを作成してもらい、訪問入浴介護を組み込んでもらう必要があります。

 

要介護1以上の方は担当のケアマネジャーに、要支援の方は地域包括支援センターにケアプラン作成を依頼しましょう。

 

どんなときに訪問入浴介護を利用すべき?

どんなときに訪問入浴介護を利用すべき?
 

利用者の要介護度が高く移動が難しい場合、家族の介護負担が大きい場合などに、訪問入浴介護の利用がおすすめです。

 

寝たきりなどで要介護度が高い方

 
ベッドの近くで入浴介助が受けられるため、手足にまひがある、体に障害がある、寝たきりなど、要介護度が高く移動が難しい方に、訪問入浴介護の利用が適しています。

 

特に、寝たきりの方は同じ体勢を長時間取るため、床ずれになるリスクが高まります。

 

訪問入浴介護では寝たきりの方でも定期的に入浴ができるため、体を清潔に保てる他、血行が良くなり床ずれの予防や解消も期待できるでしょう。

 

家族による入浴介助の負担が大きいとき

 
要介護者を自宅で入浴させる際に、家族による入浴介助の負担が大きいと感じたら、サービスを利用しましょう。

 

自宅で要介護者を入浴介助することは、家族にとって大きな肉体的負担がかかります。

 

また、家族は入浴介助に不慣れなため、浴室で滑って転倒するなどの事故が発生する恐れもあります。

 

訪問入浴介護を利用すれば、さまざまな状況の入浴介助に慣れている経験豊富なスタッフが入浴をさせてくれるため、家族の精神的・肉体的な負担が軽くなるでしょう。

 

訪問入浴介護の事業所をお探しの方は、「あなたらしく」をご利用ください。

 

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