入浴介助の手順を8ステップでわかりやすく解説

2025年3月4日

入浴介助の手順を8ステップでわかりやすく解説

在宅介護の中でも、介護する方に大きな負担がかかる介助の一つが入浴介助です。

 

しかし、入浴を怠ると体が不衛生な状態になってしまうため、こまめな入浴は欠かせません。

 

そこで今回の記事では、「入浴介助の手順」を詳しく解説していきます。

 

また、入浴介助に必要なアイテムについて、入浴介助の注意点についてもご紹介します。

 

 

入浴介助の手順を8ステップで解説

入浴介助の手順を8ステップで解説
 
高齢者の入浴は事故やトラブルにつながることもあるため、細かい配慮が欠かせません。

 

安全に入浴介助を行うためにも、基本的な入浴の流れをチェックしておきましょう。

 

1. 要介護者の体調を確認する

 
入浴介助をするにあたってまずは、要介護者の体調を確認しましょう。

 

体調がすぐれないときには、無理な入浴を避け清拭、足浴などで済ませましょう。

 

2. お湯を張り、入浴準備をする

 
問題なく入浴できると判断した場合には、湯船にお湯を張り始めます。

 

要介護者の体調や持病などによって適切な湯温は異なりますが、一般的には40度くらいになるよう調整します。

 

寒い時期にはヒートショックを防ぐため、この段階で脱衣所や浴室を温めておくと良いでしょう。

 

また、入浴後に慌てないためにも、先に着替えやタオルなどを用意しておきましょう。

 

3. 水分補給やトイレを済ませる

 
体調に問題がなければ、脱水を防ぐために入浴前に水分補給を促しましょう

 

また、入浴中には急に尿意が起こることがあるため、入浴前にはトイレを済ませておきましょう

 

準備が済んだら脱衣所に移動し、衣服を脱がせます。

 

衣服を脱がせたタイミングで、肌に湿疹などの異常がないかを確認しておくと良いでしょう。

 

4. 座らせ、シャワーで体を濡らす

 
要介護者の衣服を脱がせたら、転倒に気をつけながら浴室に入ります。

 

シャワーの油温を確認したら、床や椅子などにお湯をかけてから要介護者を座らせ、足元からゆっくりとお湯をかけていきましょう

 

5. 髪や体を洗う

 
髪や体を洗うときには上から順番に進めるのが基本ですが、要介護者の希望を取り入れても問題ありません。

 

髪を優しく洗ってから丁寧にすすぎ、続いて顔や首、腕や手、胸や背中、足などを洗っていきます。

 

このとき、自分で洗える場所は自分で洗えるよう促すのがおすすめです。

 

6. 湯船に浸かる

 
シャワー浴だけの場合には、泡を十分に流せば入浴は終了となります。

 

可能であれば湯船を使って要介護者の体をゆったりと温めます。

 

浴槽に入る際には手すりを使ったり、腰を支えたりしながら入浴をサポートしましょう。

 

シャワーチェアを浴槽に横付けして、座った状態から湯船に入れるような形で介助する方法もあります。

 

7. 湯船から出る

 
要介護者が「湯船に浸かる時間は5分程度」が目安です。

 

熱いお湯に長く入るとのぼせてしまうおそれがあるため、長風呂にならないよう注意しましょう。

 

浴槽から出るときには、入ったときと逆の順番で体を動かしてもらうと良いでしょう。

 

立ち上がる際にふらつきが起きることもあるため、ゆっくり動くよう促しましょう。

 

8. 体を拭いて着替える

 
入浴後には転倒に気をつけながら脱衣所まで移動し、タオルですぐに髪や体を拭きます。

 

体に水分が残った状態が続くと体が冷えてしまうため、拭き取りはスピーディーに行いましょう。

 

皮膚の保湿やケアなどを行ったあと、着替えの介助をすれば入浴介助が終了します。

 

入浴後には脱水上昇を防ぐため、水分補給を促すと良いでしょう

 

在宅での入浴介助は重労働です。

 

在宅介護の難しさを抱えている方はこちらも参考にしてみてください。

 

『在宅介護に限界を感じたら?無理なく続けるコツや対処法を紹介』
⇒ ご参照ください。

 

入浴介助に必要なもの

入浴介助に必要なもの
 
必要な物品を揃えておけば、入浴介助をよりスムーズに行えます。

 

ここからは、「入浴介助の必須アイテム」や「あると便利なアイテム」をご紹介します。

 

ボディソープやシャンプー

 
入浴介助を手早く行うためにも、泡立ちやすいボディソープやシャンプーを選びましょう

 

要介護者の肌が荒れやすい場合には、刺激の少ない優しいアイテムを選ぶことが大切です。

 

ボディタオルやスポンジ

 
ボディタオルやスポンジは柔らかい素材のものを選びましょう。

 

刺激を避けるために、手袋型になっているタオルを使って撫でるように洗うという方法もあります。

 

タオルと着替え

 
入浴後には体を冷やさないよう、吸水性の良いタオルで体を素早く拭きましょう。

 

着替えに加え、必要に応じて「おむつ」も用意しておけば、入浴後に慌てず洋服を着せられます

 

シャンプーハット

 
シャンプーを効率良く行うために、シャンプーハットを取り入れるのもおすすめです。

 

シャンプーハットがあれば目や耳に水が入りにくくなり、髪をスムーズに洗えます

 

シャワーチェア

 
シャワーチェアとは、座った状態で頭や体を洗えるようになっている椅子です。

 

シャワーチェアを活用すれば、介護をする方の足腰にかかる負担を軽減できます。

 

要介護者の転倒を防止するために、背もたれや肘掛けのついたシャワーチェアを選ぶことも大切です。

 

転倒防止マット、浴槽台

 
浴室は滑りやすいため、転倒防止マットがあると便利です。

 

浴室の床に敷くマットのほか、浴槽内に敷いて使えるマットもあります。

 

浴槽に専用のすのこや浴槽台を沈めておき、ここに座るような形で入浴させるのも良い方法です。

 

保湿剤

 
入浴後の肌は乾燥しやすいため、保湿剤を使って十分なうるおいを与えましょう。

 

肌荒れや肌トラブルが起きている場合には、処方された軟膏を用意しておき、入浴後に塗布しましょう。

 

入浴介助に関する注意点

入浴介助に関する注意点
 
入浴介助は事故やトラブルを避けて安全に行う必要があります。

 

ここからは、入浴介助をする際に「気をつけたいポイント」をチェックしていきましょう。

 

ヒートショック対策をする

 
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に悪影響を及ぼすことを指し、心筋梗塞や脳梗塞、大動脈解離といった重篤な症状の原因となることもあります。

 

身体機能が低下している高齢者はヒートショックのリスクが高いため、十分な対策が必須です。

 

寒い冬場にはヒートショックのリスクが跳ね上がるため、脱衣所や浴室を十分に温めるなどの対策を講じましょう。

 

体調を確認する

 
入浴介助の前には、要介護者の体調に問題がないかを確認しましょう。

 

熱があるなど体調不良の際に入浴をすると、症状がさらに悪化してしまうおそれがあります。

 

熱がないかを調べるほか、可能であれば血圧や脈拍などもチェックしておきましょう。

 

体調が悪そうな場合には入浴を避け、蒸しタオルで体を拭くなどの介助をするのがおすすめです。

 

転倒に気をつける

 
高齢者の転倒は、骨折や頭部損傷といった重大なケガにつながるおそれがあります。

 

脱衣所や浴室は特に滑りやすいため、要介護者の転倒に十分気をつけましょう。

 

入浴介助の前には、浴室に滑りやすい泡が残っていないか、つまずきやすい障害物がないかをあらかじめ確認しておきます。

 

手すり転倒防止マットを活用すれば、転倒のリスクを大きく下げられるでしょう。

 

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