介護医療院は3種類に分けられる!違いをわかりやすく解説

2025年1月29日

介護医療院は3種類に分けられる!違いをわかりやすく解説

介護医療院は、住まいと生活を医療が支える新たなモデルとして創設された介護福祉施設です。

 

介護医療院は人員配置や複数の種類に区分されており、それぞれ人員配置や入居基準が異なるので、入居を検討する際は注意が必要です。

 

今回は介護医療院の種類ごとの特徴や、一般的な介護医療院で受けられるサービスの内容、他の介護施設との違いについて解説します。

 

 

介護医療院の種類ごとの特徴

介護医療院の種類ごとの特徴
 
介護医療院の種類は、大きく分けて「3つ」あります。

 

  • 介護医療院
  • 医療機関併設介護医療院
  • 併設型小規模介護医療院

 

医療機関併設型介護医療院とは、同一敷地内または隣接する敷地にある病院または診療所と連携しており、入所者の病状が急変した場合に医師が速やかに診察を行える体制が確保されている介護医療院のことです。

 

一方の併設型小規模介護医療院は、病院や診療所に併設されており、かつ入所定員が19人以下の介護医療院を指します。

 

これらの介護医療院は、いずれも施設の人員基準により、さらにⅠ型介護医療院とⅡ型介護医療院の2つに区分されています。

 

Ⅰ型は介護療養病床相当の人員基準を設けているタイプで、利用対象者は重篤な身体疾患を有する人や、身体合併症を有する認知症高齢者です。

 

一方のⅡ型は、Ⅰ型よりも比較的容体が安定している人を利用対象者とした施設です。

 

利用対象者が異なるぶん、Ⅰ型とⅡ型では人員配置の基準に違いがあります。

 

以上の分類を踏まえ、以下で介護医療院、医療機関併設型介護医療院、併設型介護医療院の人員配置基準をまとめました。[注1]

 

介護医療院 医療機関併設型介護医療院 併設型介護医療院
Ⅰ型・Ⅱ型
Ⅰ型 Ⅱ型 Ⅰ型 Ⅱ型
医師 入居者48人に対して1人(施設で3人以上) 入居者100人に対して1人(施設で1人以上) 入居者48人に対して1人 入居者100人に対して1人 条件によっては設置なしも可
リハビリ専門職 適当数 適当数 条件によっては設置なしも可
薬剤師 入居者150人に対して1人 入居者300人に対して1人 入居者150人に対して1人 入居者300人に対して1人 条件によっては設置なしも可
看護職員 入居者6人に対して1人
介護職員 入居者5人に対して1人 入居者6人に対して1人 入居者5人に対して1人 入居者6人に対して1人 入居者6人に対して1人
管理士・管理栄養士 入居者100人に対して1人(施設で1人以上) 適当数
診療放射線技師 適当数 条件によっては設置しなくても差し支えない
調理員、事務員等 適当数 条件によっては設置しなくても差し支えない

 

上記の表を見ると、同じ介護医療院でも、Ⅰ型よりⅡ型の方が人員配置の基準が緩く設定されていることが分かります。

 

また、医療機関に併設されている併設型介護医療院は、医療機関に常駐している医師やリハビリ専門職、薬剤師によって入所者の処遇が適切に行われると認められる場合、各員を置かないことも可能です。

 

ただ、多忙で手が回らないなどといった理由で、入所者に対して速やかに、かつ適切な処置・対応を行えない状態と判断される場合は、母体である医療機関とは別に、医師やリハビリ専門職員などを設置する必要があります。

 

>>[注1]厚生労働省「介護医療院とは?」

 

一般的な介護医療院で受けられるサービス

一般的な介護医療院で受けられるサービス
 
介護医療院では、利用者ができる限り自立した日常生活を送れるよう、療養上の管理や看護、介護、機能訓練、医療、日常生活支援サービスなどを提供しています。

 

ここでは一般的な介護医療院で受けられるサービスの内容を説明します。

 

診療・医療的ケア

 
介護医療院には医師や看護師が常駐しているため、入所者に対して診療や医療的ケアを提供できます。

 

具体的には、診察や注射、薬剤の処方、点滴などから、喀痰吸引、胃ろうなどの経管栄養、在宅酸素、褥瘡ケアまで、幅広い医療ケアを提供可能です。

 

また、医師や看護職員、介護職員などが共同して入所者の状態や家族の要望などを鑑み、かつ本人や家族への説明を経て同意を得た場合は、看取りやターミナルケアも実施することができます。

 

介護サービス

 
介護医療院には入居者5~6人に対し1人の介護職員が置かれており、食事や排泄、入浴などの介助を行っています。

 

他にも、日常生活上の動作や活動の改善・維持を目的とした機能訓練や、脳の活性化、コミュニケーションの促進、身体機能の維持向上を図ることを目的としたレクリエーションなどを実施し、利用者の自立した生活を支援します。

 

生活支援サービス

 
生活支援サービスとは、利用者の身の回りのお世話をするサービスのことです。

 

具体的には、洗濯や室内の掃除、買い物の付き添いあるいは代行などを実施します。

 

介護医療院と他の介護施設との違い

介護医療院と他の介護施設との違い
 
日本には介護医療院の他にも複数の介護施設があり、それぞれ特徴が異なります。

 

ここでは介護医療院と他の介護施設との違いについて説明します。

 

介護老人保健施設との違い

 
介護老人保健施設とは、要介護者に対し、看護や医学的管理の下で介護・機能訓練、医療、生活支援サービスなどを提供する施設のことです。

 

要介護者を利用対象としているところは介護医療院と共通していますが、長期間に亘って療養することを目的とした介護医療院に対し、介護老人保健施設は将来的に在宅復帰を目指すところが大きな違いです。

 

そのため、介護老人保健施設の在院日数は3~6カ月程度が一般的とされています。

 

一方、介護医療院は原則として在院日数に制限はなく、終身で利用することが可能です。

 

介護老人福祉施設との違い

 
介護老人福祉施設とは、要介護者に対し、介護や生活支援サービス、機能訓練、健康管理などを提供する施設で、別名特別養護老人ホームとも呼ばれています。

 

日常生活面で受けられるサービスは介護医療院と似ていますが、医師による治療や医療的ケアは行っていません。

 

健康管理や健康診断、予防注射などには対応しているものの、専門的な治療・医療的ケアは受けられないため、入所者の状態が急変した場合は他の医療機関に協力を仰ぎ、処置してもらう必要があります。

 

有料老人ホームとの違い

 
有料老人ホームとは、高齢者に対して食事や生活のサービスを提供する施設です。

 

提供されるサービスによって複数のタイプに区分されており、例えば身体介護や機能訓練を受けられるタイプは介護付き有料老人ホーム、食事や洗濯、掃除などの生活支援サービスが提供されるタイプは住宅型有料老人ホーム、家事サポートや食事などのサービスを受けられるタイプは健康型有料老人ホームと呼ばれています。

 

介護医療院の場合、医療から介護、生活支援サービスまで幅広いサービスを受けられますが、有料老人ホームはタイプごとに受けられるサービスが限定されているところが大きな違いです。

 

特に住宅型や健康型の場合は介護サービスが付帯されていないため、介護を受けたい場合は別途外部サービスなどを利用しなければなりません。

 

介護付き老人ホームなら介護サービスも付帯していますが、老人ホームの種類によって入居条件や費用の負担額に違いがあるので注意が必要です。

 

老人ホームの種類については、以下のページで詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。

 

『【一覧表あり】老人ホームの種類とそれぞれの特徴』
⇒  ご参照ください。

 

以上、介護医療院と主な福祉施設の違いについて解説しましたが、同じ介護福祉施設でも、受けられるサービスや入居条件に大きな違いがあります。

 

「どの福祉施設に入居すればいいか分からない」「ニーズに合う福祉施設がなかなか見つからない」という場合は、老人ホーム探しに特化したサービスの利用を検討してみましょう。

 

介護医療院を探している方や、福祉施設ごとの違いが分からず困っている方は、ぜひ「あなたらしく」をご利用ください。

 

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