ショートステイとは、短期入所生活介護とも呼ばれる宿泊型のサービスです。
ショートステイを利用すれば、介護を必要とする高齢の方が一時的に自宅での生活が困難になった際に、食事や入浴などの介護や支援を受けることが可能です。
今回の記事では、「ショートステイを選ぶときのチェックポイント」を紹介します。
また、ショートステイの利用シーンや利用時の注意点についても解説していきます。
ショートステイを選ぶときの7つのポイント
まずは、ショートステイ施設を選ぶときのチェックポイントをみていきましょう。
併設型か単独型かをチェックする
ショートステイには、併設型と単独型という2つの種類があります。
併設型とは特別養護老人ホームや介護老人保健施設などに併設されているショートステイ施設です。
併設型を選んだ場合には、これらの施設の部屋を利用して宿泊することになります。
単独型とは、独立したショートステイ専門の施設です。
単独型を選んだ場合には、ショートステイ専門の施設への宿泊が可能です。
併設型と単独型でサービス内容に大きな違いはありませんが、併設型の場合は数が限られていることがあります。
医療ケアの有無をチェックする
ショートステイを利用する際には、医療ケアが提供されているかどうかについても確認しましょう。
ショートステイには、要支援や要介護の認定を受けている方が利用できる短期入所生活介護のほかに、医療ケアを受けられる短期入所療養介護というものもあります。
利用者の身体状況が安定していれば、医療ケアが提供されていない施設を選んでも問題はありません。
しかし、医師や看護師による医療行為が必要という場合には、短期入所療養介護が提供される施設を選ぶ必要があります。
どの程度の医療ケアが提供されているかは施設によって大きく異なるので、事前にチェックしておきましょう。
予約を取れるかどうかを確認する
ショートステイ利用時には、予約が取りやすいかどうかを事前に確認しましょう。
ショートステイは人気のあるサービスなので、地域によっては予約が取りにくいこともあります。
1泊の利用であれば比較的予約は取りやすいですが、3泊以上になると直前の予約が取れないこともあるでしょう。
スケジュールが決まっているのなら、予約がいっぱいになってしまう前に早い段階で予約を入れておくと安心です。
利用対象になっているかどうかを確認する
ショートステイには利用条件が定められており、基本的に対象外の方はショートステイを利用できません。
介護保険が適用されるショートステイの対象者は、要支援や要介護の認定を受けている65歳以上の方に限られています。
ただし、特定疾病によって要介護認定を受けている場合には、40~64歳でも利用可能です。
なお、一部の有料老人ホームでは、介護保険適用外のショートステイサービスを提供しています。
こういったショートステイであれば要介護認定を受けていない方でも利用可能ですが、利用費用は自費となります。
サービス内容をチェックする
ショートステイでどのような食事が提供されているか、どのようなレクリエーションが実施されているかといったポイントも重要です。
食事の内容をチェックするときには、食事介助を受けられるか、体調や好みに合わせた調理をしてもらえるかについても確認しましょう。
また、レクリエーションの頻度や内容もショートステイ施設ごとに異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
施設の雰囲気をチェックする
ショートステイの利用前に施設を見学すれば、おおまかな雰囲気を把握できます。
雰囲気の悪い施設を選んで利用した場合、利用者本人の気分が害されてしまい、次回から施設の利用を嫌がるようになるかもしれません。
利用者同士の会話が多い施設やスタッフの応対がよい施設を選べば、利用中に嫌な思いをする可能性を大きく下げられます。
利用費用を確認する
ショートステイの利用前には、費用面についても確認しておきましょう。
ショートステイの利用費用は、お住まいの地域や施設の介護体制、お部屋のタイプ、要介護度、介護保険の負担割合などによって変わってきます。
基本的に、要介護度が高い方ほどショートステイの利用費用も高めです。
また、ユニット型個室の利用費用は従来型個室や多床室と比較して高く設定されています。
基本料金以外に居住費や食費などがかかる点にも十分注意しましょう。
さまざまな老人ホームを比較して選びたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
『【一覧表あり】老人ホームの種類とそれぞれの特徴』
⇒ ご参照ください。
どのようなときにショートステイを利用すべき?
ショートステイの利用シーンは以下のように数多く考えられます。
介護者が自宅を留守にするとき
在宅介護をしているご家族が仕事や冠婚葬祭、旅行などで自宅を留守にする際にはショートステイの利用がおすすめです。
介護を必要とする方や日常生活に不安がある方を自宅に残すのは、心配という方も多いでしょう。
家族が長時間留守にするタイミングでショートステイを利用すれば、安心して外出できるようになります。
介護者がリフレッシュしたいとき
在宅介護を続けているとどうしても心身に疲労やストレスが蓄積してしまいます。
無理をし続けると介護うつのような状態になることもあるので、可能な範囲で介護者がリフレッシュする時間を設けましょう。
必要に応じてショートステイを利用することで、介護するご家族の負担を大きく軽減できます。
在宅サービスを利用できないとき
在宅サービスを利用しながら自宅介護を続けている方は少なくありません。
しかし、場合によっては何らかの都合で在宅サービスを利用できなくなることもあるでしょう。
こういった場合にショートステイを利用すれば、快適に介護ケアを受けられます。
また、体調や病状が不安定なときにショートステイ施設を利用し、療養につなげる方もいます。
老人ホームの入居待ちが発生しているとき
老人ホームへの入居を希望しているものの、入居待ちでなかなか入居できないというケースも増えつつあります。
こういったときに、代替手段としてショートステイを利用することも可能です。
また、老人ホームに入居する前に宿泊体験のような形でショートステイを利用するという考え方もあります。
事前に施設に慣れておけば、老人ホームへの入居もスムーズに進みやすくなるでしょう。
ショートステイを利用するときの注意点
ショートステイの利用時には、以下の「2つのポイント」に気をつけましょう。
利用できる期間が決まっている
ショートステイを利用する際には、利用期間を細かく確認しておきましょう。
連続での宿泊ができることがショートステイの特徴ですが、その日数は最大30日までと決められています。
30日が経過したあと1日以上自宅に帰宅すれば、その翌日からまた30日の利用が可能です。
ただし、ショートステイは要介護認定の有効期間の半数を超えて利用することができません。
例えば介護認定期間が180日となっている場合、ショートステイは90日まで利用できます。
前もって持ち物を準備しておく
ショートステイを利用する際、施設によって持参する持ち物は異なります。
あらかじめ、必要なものを確認しておきましょう。
施設によっては、持ち物全てに名前の記入が求められる場合もあります。
ショートステイの利用直前に慌てて準備するのではなく、時間に余裕を持って準備しておくことをおすすめします。
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