要支援は訪問介護を利用できる?受けられるサービスと総合事業について解説

2025年9月19日

要支援は訪問介護を利用できる?受けられるサービスと総合事業について解説

「要支援でも訪問介護って利用できるの?」と、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。

 

要介護度によって受けられるサービスが異なるため、自分や家族の場合どのサービスを使えるのかがわかりにくく、不安になりますよね。

 

結論からお伝えすると、要支援と認定されても、介護保険サービスの訪問介護は利用できません

 

代わりに、介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスを利用可能です。

 

この記事では、要支援は訪問介護を利用できるのかについてくわしく紹介します。

 

要支援が受けられるサービスや、総合事業の訪問型サービスの詳細も解説しているため、要支援で訪問介護の利用を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

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要支援は訪問介護の対象外|受けられるサービスとは

要支援は訪問介護の対象外|受けられるサービスとは
 
要支援と認定された方は、介護保険サービスの訪問介護を利用できません。

 

訪問介護の対象者は、要介護1〜5と認定された方のみだからです。

 

訪問介護とは、ホームヘルパーなどの訪問介護員が利用者の自宅に訪問し、食事や排泄・入浴における身体介護や生活支援を行うサービスを指します。

 

介護の必要性が要介護よりも軽い要支援では、利用できないことを理解しておきましょう。

 

介護予防・日常生活支援総合事業の対象

 
要支援認定を受けた方は、訪問介護の対象ではないものの、介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)の訪問型サービスを利用できます。

 

総合事業とは、自治体が主体となって、高齢者や要支援者が必要とする介護予防、生活支援を行う事業です。

 

対象者は要支援認定を受けた方、もしくは基本チェックリスト※該当者とされています。※高齢者の心身の状態を確認するチェックリスト

 

要支援と認定された方で訪問介護を希望している場合は、総合事業の訪問型サービスの利用を検討しましょう。

 

要支援1・2が受けられるサービス一覧

 
要支援1〜2と認定された方が利用できる介護保険サービスは、以下の通りです。

 

  • 訪問入浴
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリ
  • 通所リハビリ
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 短期入所療養介護
  • 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、軽費老人ホーム等)
  • 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売

※参照:公表されている介護サービスについて|介護事業所・生活関連情報検索「介護サービス情報システム」

 

要支援は訪問介護の対象ではないものの、介護職員が訪問し入浴時のサポートやリハビリを実施する訪問入浴の対象です。

 

在宅で自分らしい生活を維持できるように、総合事業の訪問型サービスと上手に併用するのがおすすめです。

 

要支援認定の方が利用できるサービスについては、以下の記事でもくわしく解説しています。

 

要支援でも老人ホームに入所可能?利用できるサービスを詳しく紹介

 

訪問介護と総合事業3つの違い

訪問介護と総合事業3つの違い
 
要支援が訪問介護の対象外なのは理解できたものの、総合事業の訪問型サービスと何が異なるのかわかりにくいと感じている方も多いでしょう。

 

介護保険サービスにおける訪問介護と、総合事業の訪問型サービスには、大きく「3つの違い」があります。

 

訪問介護 総合事業の訪問型サービス
目的 自立支援 介護予防
対象 要介護1〜5と認定された方 ・要支援1〜2と認定された方
・基本チェックリスト該当者
サービス 身体介護や生活支援 健康管理の維持や生活支援

 

それぞれの目的やサービスの内容を把握し、自分が受けられる介護予防、生活支援の制度を理解しましょう。

 

【目的】自立支援か介護予防か

 
訪問介護と総合事業は、それぞれ目的が異なります。

 

介護保険サービスにおける訪問介護の目的が自立支援なのに対し、総合事業の訪問型サービスは介護予防を目的としています。

 

たとえば、ベッドから起き上がり立つまでの動作は自分でできるものの、車椅子に座るまでの移動に不安がある場合、訪問介護では移動のサポートをします。

 

利用者にできる限り自分でできることをしてもらい、できない動作をサポートし自立を支援するのが訪問介護です。

 

反対に、訪問型サービスは利用者の心身の健康を維持し、社会的孤立を防ぎながら介護の必要性を遅らせるのが目的です。

 

【対象】要介護1〜5の認定を受けているか

 
介護保険サービスの訪問介護は、対象者を要介護1〜5と認定された方のみとしています。

 

一方で、総合事業の訪問型サービスは、要支援認定を受けた方、もしくは基本チェックリストに該当する方が対象です。

 

総合事業のサービスは、必ずしも要介護認定で「要支援」と認められている必要はなく、基本チェックリストで対象となるだけでも利用できます。

 

【サービス】身体介護がメインか

 
訪問介護は入浴や排泄、食事などにおける身体介護をはじめ、調理や洗濯の援助、通院のサポートなど生活支援を行います。

 

要介護1〜5と認定された方が対象のため、ベッドからトイレまでの移動が困難な場合や、寝たきりの利用者を介助する身体介護がメインです。

 

訪問介護のくわしいサービス内容は、以下の記事も参考にしてください。

 

訪問介護のサービス内容や対象者をわかりやすく解説

 

一方で、総合事業の訪問型サービスは要支援者が対象で、調理や清掃の補助、ゴミ出し・買い物の代行など生活上のサポートをメインに行います。

 

総合事業の訪問型サービス|4種類を紹介

総合事業の訪問型サービス|4種類を紹介
 
総合事業の4種類の訪問型サービスについて紹介します。

 

種類 サービス概要
訪問型サービスA ・緩和した基準のもと、雇用労働者(訪問介護員)が生活援助を行うサービス
・おもに洗濯・掃除・調理など、またその一部の介助、ゴミの分別やゴミ出し、重いものの買い物代行など
訪問型サービスB ・住民が主体となってボランティアで日常生活の支援を行うサービス
・おもに買い物代行、調理・洗濯など、またその一部の介助、ゴミ出しほか
訪問型サービスC ・短期集中予防サービス
・3〜6ヶ月の短期間の実施
・市区町村の保健師などが体力やADL・IADL※の改善にむけた居宅での相談および指導※日常生活を送るうえで最低限必要な動作
訪問型サービスD ・住民が主体となってボランティアで移動の支援を行うサービス
・おもに通所型サービスの送迎や通院、買い物など外出時サポート

※参照:介護予防・日常生活支援総合事業ガイドライン(概要)|厚生労働省

 

各サービスの利用料金は、国が定める額(予防給付の単価)を上限として、自治体が独自で設定します。

 

訪問型サービスを受けるまでの流れ

訪問型サービスを受けるまでの流れ
 
総合事業の訪問型サービスを受けるまでの流れは、以下の通りです。

 

  • 1. 要支援・要介護認定を受ける(もしくは地域包括支援センターで基本チェックリストを実施する)
  • 2. 要支援なら地域包括支援センターへ連絡・ケアプランを作成してもらう
  • 3. 訪問型サービスの利用開始

 

まずはお住まいの地域を管轄する自治体で要支援・要介護認定を受けましょう。

 

もしくは、地域包括支援センターで相談したうえで基本チェックリストを実施し、事業対象者として認定される流れでも問題ありません。

 

要支援1〜2と認定された方は、ケアマネージャーにケアプランを作成してもらう必要があります。

 

ケアプラン作成後、事業者と契約し、訪問型サービスの利用が開始されます。

 

要支援は訪問型サービスを活用して快適な生活を送ろう

要支援は訪問型サービスを活用して快適な生活を送ろう
 

要支援は介護保険サービスにおける訪問介護の対象外ですが、介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスの利用が可能です。

 

総合事業は自治体が主体となって高齢者、および要支援者の介護予防や生活支援を行うサービスを指します。

 

まずは地域包括支援センターで相談し、事業対象者として認められるための手続きを行いましょう。

 

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