ホスピスの入所条件や入所するまでの流れを詳しく紹介

2025年4月24日

ホスピスの入所条件や入所するまでの流れを詳しく紹介

ホスピスは、余命が限られている方が最期の時間を穏やかに過ごすための施設です。

 

原則として、ホスピスでは病気を治すための治療や延命治療は行われず、痛みや不安を緩和するケアが提供されます。

 

本記事では、ホスピスの入所条件について詳しく解説していきます。

 

また、ホスピスに入所するときの流れについてもご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

 

ホスピスへの入所条件

ホスピスへの入所条件
 
ホスピスは誰もが利用できる施設というわけではなく、入所には一定の条件があります。

 

まずは、一般的なホスピスの入所条件をみていきましょう。

 

完治の難しい疾患を抱えている

 
ホスピスは、厚生労働省が定める疾病等と診断された方を対象とした施設です。

 

厚生労働省が定める疾病は、末期の悪性腫瘍(がんの末期)や後天性免疫不全症候群(エイズ)などさまざまです。

 

ホスピスによっては、末期がんの方のみ、エイズの方のみと制限した上で受け入れを行っていることもあります。

 

なお、末期がんやエイズを抱えている方がほかの病状を併発している場合には、その病状の治療が優先されることもあるため、ホスピスの利用ができない可能性も考えられます。

 

ホスピスを利用する際には、どのような症状を抱える方が入所できる施設なのかを確認しておきましょう。

 

病状について詳しい説明を受けている

 
がんなどの病気の場合には、明確な告知が行われないこともあります。

 

しかし、ご本人が自身の身体のことを知らないまま入所した場合、適切なケアを行うのは難しいでしょう。

 

そのため、ご本人が病状を把握していない場合にホスピスを利用できるケースはまれです。

 

施設にもよるものの、多くのホスピスはご本人に対して病状が詳しく告知されていることを入所条件としています。

 

まずはご本人が病気について把握し、じっくりと考えた上で入所するか否かを決めることが大切です。

 

緩和ケアが必要と主治医が判断している

 
医師が入所を認めていることも、ホスピスの入所条件の一つです
 

ホスピスでの緩和ケアは、医学的に治療が難しいと医師が判断した場合にのみ利用できます。

 

ホスピスでは延命の治療や病を治すためのケアは行われないため、医療で対応できると判断された場合には治療を続けていくのが一般的です。

 

治療の選択肢が残っており、ご本人に根治治療を優先する意思がある場合には、ホスピスを利用できない可能性も考えられます。

 

医師による診断で、余命がおおむね6カ月以内であると予測されていることも、入所の条件となっています。

 

積極的な延命治療を終了し、症状の緩和や残された時間の質の向上を重視すべきと医師が判断した場合には、ホスピスの利用を選択肢に入れてみましょう。

 

ご本人が入院を希望している

 
ホスピスの利用にあたっては、ご本人の意思が重要視されます。

 

ご家族、主治医や看護師などが入所を勧めている場合でも、ご本人が希望していない場合には入所させることはできません。

 

また、ご本人の意思が明確に確認できない場合にも、入所を断られてしまいます。

 

ホスピスの利用は人生の大切な選択の一つとなるため、周囲の方が無理強いするのではなく、ご本人の希望に任せることが肝心です。

 

ホスピスへ入所するまでの流れ

ホスピスへ入所するまでの流れ
 

ホスピスへの入所方法は施設ごとに異なりますが、基本的には以下のような流れで手続きを行います。

 

ホスピスの情報を集める

 
ホスピスの利用を検討しているのなら、まずは情報収集から始めてみましょう。

 

ホスピスの規模やケア内容、かかる費用などは施設ごとに異なります。

 

インターネットでウェブサイトをチェックしたり、老人ホームのポータルサイトを参考にしたりしながら、情報収集を進めていきましょう。

 

主治医に相談する

 
ホスピスは病院の医療体制の一部となっているため、入所にあたっては主治医の判断が求められるのが一般的です。

 

まずはかかりつけの医師に相談し、ホスピスでの緩和ケアが必要かどうかを考えていきましょう。

 

必要に応じて、ケアマネジャーや入院先のソーシャルワーカーに相談するのも有効な方法です。

 

さまざまな立場の方に相談すれば、よりよい道が見つかりやすくなります。

 

見学会や相談会に参加する

 
近年では、施設の見学会や説明会を実施するホスピスも増えてきました。

 

入所を希望する施設を実際に見学すれば、居室の様子やスタッフの雰囲気などを直に確かめられます。

 

また、施設の方針やケアの内容などについて具体的な説明を受けることも可能です。

 

紹介を受けて申し込む

 
一般的なホスピスは、ご本人からの申し込みではなく、紹介による申し込みにのみ対応しています。

 

紹介なしで申し込みをした場合、入所を断られてしまうこともあるので注意が必要です。

 

まずは主治医に紹介状を作成してもらい、これをホスピスに提出しましょう。

 

電話相談を行う

 
ホスピスの申し込みをしてから実際の面談までには時間がかかるのが一般的です。

 

地域によってはホスピスへの入所を希望する方が多く、待機が発生してしまうこともあります。

 

このタイミングで電話による面談を実施するホスピスもあるので、まずは担当者と電話で話をしてみましょう。

 

電話面談で特に問題がなければ、対面での面談の日時の調整に移っていきます。

 

対面での面談を行う

 
対面での面談には、入所予定者(患者)とそのご家族、医師や看護師、病棟の担当者などが参加します。

 

面談では、現在の身体状況や、病気を治すための治療を希望しているかなどを確認されます。

 

また、どのような入院生活を送りたいのかについて希望を聞かれることもあるでしょう。

 

面談は堅苦しいものではないので、リラックスしながらじっくりと話をしてみることをおすすめします。

 

また、疑問があるときにはこのタイミングで質問し、不安を解消しておくことも大切です。

 

実際に入所する

 
面談の内容をもとに、施設側が受け入れの可否を判断します。

 

特に問題がなければ、1週間以内に連絡をもらえることがほとんどです。

 

準備や持ち物に関することは事前に知らされるので、当日までに万全の準備をした上で入所しましょう。

 

老人ホームに入所する流れを知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください。

 

『老人ホームへの入所手続きの流れや必要書類をわかりやすく解説』
⇒ ご参照ください。

 

ホスピスへ入所するときの注意点

 
ホスピスに入所する際には、ほかの施設とは異なるホスピス独自の特徴を把握しておきましょう。

 

ここからは、ホスピスに入所するにあたって「気をつけたいポイント」をご紹介します。

 

費用面を把握しておく

 
ホスピスの入所費用は厚生労働省によって定められています。

 

入所費用とは別に、食事代や差額ベッド代、おむつ代、寝具リース代などが必要となることもあります。

 

入所費用には保険が適用されるため、1割負担または3割負担での利用が可能です。

 

しかし、入所期間が長い場合には利用費用がかなり高額になってしまうこともあるため、注意が必要です。

 

ホスピスの利用時には、あらかじめ費用面を確認しておきましょう。

 

滞在期間が限られている

 
ホスピスは短期間の利用を想定した施設で、その滞在期間は1カ月程度とされるのが一般的です。

 

30日を超えた場合には退院を促される可能性もあり、この場合には診療所や自宅に移らなければなりません。

 

ホスピス入所前に、長期的な滞在が可能かどうかを確認しておけば安心できます。

 

ホスピスや老人ホームをお探しなら「あなたらしく」をご活用ください。

 

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