介護医療院の入所条件や入所までの流れを詳しく解説

2025年2月25日

介護医療院の入所条件や入所までの流れを詳しく解説

介護医療院とは、2023年に廃止された介護療養型医療施設の機能を引き継ぐ目的で、2018年に創設された施設です。

 

介護医療院は創設されてからそれほど年月が経っていない施設のため、どのような施設なのかがよく分からないという方も多いでしょう。

 

そこで今回は、介護医療院に入所するための条件について詳しくご紹介します。

 

また、入所までの流れやほかの施設との違いについても解説していきます。

 

 

介護医療院の入所条件とは

介護医療院の入所条件とは
 
介護医療院は介護保険サービスで利用できる公的施設であり、入所条件が細かく定められているのが特徴的です。

 

まずは、介護医療院の入所条件をチェックしていきましょう。

 

要介護認定を受けている

 
1つ目の入所条件は、「要介護認定を受けている」ことです。

 

介護医療院は介護を提供する老人ホームという位置付けのため、原則として「要介護認定1~5」の方のみを受け入れています

 

自立の方や要支援の方は介護医療院の利用対象外となる点に注意しましょう。

 

年齢制限がある

 
2つ目は、「年齢制限がある」ことです。

 

介護医療院を利用できるのは、原則として65歳以上の方に限られます

 

ただし、40~64歳の方のうち、認知症や関節リウマチなど16種類の特定疾病による要介護認定を受けている方は、介護医療院への入所が認められます。

 

Ⅰ型とⅡ型で受け入れ条件が異なる

 
最後が、Ⅰ型とⅡ型とで受け入れ条件が異なる点です。

 

介護医療院にはⅠ型とⅡ型があり、それぞれ受け入れ条件が異なります。

 

「Ⅰ型」は急変のリスクがある方や病状の重い方を対象とした施設です。

 

要介護度が高い方や疾病を患っている方は、Ⅰ型への入所を勧められることが多いでしょう。

 

これに対し、「Ⅱ型」は心身の状態が安定した方を受け入れている施設です

 

介護医療院のⅠ型とⅡ型では医師や看護師の配置基準、提供されるサービスなどが大きく異なります。

 

介護医療院についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。

 

『介護医療院とは?特徴や入所費用をわかりやすく解説』
⇒ ご参照ください。

 

介護医療院に入所するまでの流れ

介護医療院に入所するまでの流れ
 
「介護医療院の利用を検討しているものの、入所方法が分からない」と悩んでいる方も多いでしょう。

 

ここからは、「施設を選んで入所するまでのおおまかな流れ」をご紹介します。

 

要介護認定を受ける

 
介護医療院は要介護認定を受けている方のみを対象とした施設です。

 

そのため、入所に当たっては要介護認定を受ける必要があります。

 

まずは各地にある地域包括支援センターに相談するか、市区町村の役所にある福祉窓口で申請を行いましょう。

 

病院のサポートを受ける

 
入院している方が介護医療院に移る場合には、病院側で入所のサポートをしてもらえることがほとんどです。

 

病院の地域医療連携室やソーシャルワーカーに相談すれば、適切な施設の提案を受けられます。

 

介護医療院の入所手続きをスムーズに進めるためにも、申請に関する支援やアドバイスなどを積極的に求めるとよいでしょう。

 

施設を探す

 
入院していない方が介護医療院に入所する場合は、Webサイトやポータルサイトなどで近隣の施設を探してみましょう

 

厚生労働省が提供している「介護事業所・生活関連情報検索(介護サービス情報公表システム)」などを利用すれば、希望に合う介護医療院を見つけやすいでしょう。

 

>>介護事業所・生活関連情報検索(介護サービス情報公表システム)

 

施設を見学する

 
介護医療院の入所手続きを行う前には、施設に足を運んで見学してみましょう。

 

実際の施設を目で見て確かめることが、施設選びのミスマッチを防ぐためのポイントです。

 

施設見学には原則として予約が必要のため、まずは施設に問い合わせて日時のすり合わせましょう。

 

また、申し込みについて詳しく知りたいときは、施設を見学する際に申し込みの流れを説明してもらったり、申込書を用意してもらったりすることをおすすめします。

 

必要書類を準備する

 
入所したい施設が決まったら、必要書類を準備していきましょう。

 

施設の申込書に加え、調査票や身元引受書、診療情報提供書や診断書などの書類を求められることもあります。

 

入所に当たっては、本人の体の状態や症状などを細かく確認することが重要です。

 

そのため、書類提出に加えて担当医や担当ケアマネージャーからの情報提供を求めるケースも少なくありません。

 

施設側は、これらの書類や調査内容をもとに、入所可能かどうかを判断します。

 

書類に不備があったり、入所条件に合わなかったりした場合は入所を断られる可能性もあります。

 

入所面談をする

 
入所が決定した後で行われるのが、入所面談です。

 

面談では、利用条件や費用の確認、入所後の生活の説明、療養方針のすり合わせなどさまざまなことを話します。

 

面談後に契約を交わし、具体的な入所日が決まったら入所に関する手続きは完了です。

 

介護医療院とほかの施設の違い

介護医療院とほかの施設の違い
 
老人ホームの選択肢は介護医療院のほかに、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護付き有料老人ホームなどさまざまです。

 

多くの老人ホームの中から、どの施設を選んだらよいかと悩む方もいるかもしれません。

 

ここからは、介護医療院とほかの施設の違いについてチェックしていきましょう。

 

特別養護老人ホームとの違い

 
特別養護老人ホーム(特養)は、要介護者を受け入れている施設という点で介護医療院と共通しています。

 

しかし、費用面施設のスタイルサービス内容などには違いがあります。

 

例えば、介護医療院は特別養護老人ホームよりも基本介護サービス費が高く設定されている傾向です。

 

加えて、介護医療院には高度な医療設備が充実しており、きめ細かいケアができるという特徴があります。

 

従って、介護医療院は医療の必要性が高い方をサポートする施設として適しているといえるでしょう

 

介護老人保健施設との違い

 
介護老人保健施設(老健)は、リハビリなどを通して入居者をサポートする施設です。

 

大きな特徴として、自宅復帰のためにリハビリ中心のサービスを提供していることが挙げられます。

 

なお、介護老人保健施設は入居者に身体機能の回復や改善が見られた場合は、退去を促される可能性があります。

 

介護老人保健施設の入居期間は、おおむね「3カ月〜6カ月」です。

 

回復に達していない場合を除き、長期的な入居を前提としていない点には注意した方がよいでしょう。

 

一方、介護医療院は、長期入居を前提として療養できる点が特徴です。

 

そのため、長期的に利用できる施設をお探しなら介護医療院を、短期的な利用を希望する場合には介護老人保健施設を選んでみましょう。

 

介護付き有料老人ホームとの違い

 
介護医療院が公的な介護施設であるのに対し、介護付き有料老人ホームは民間の施設です。

 

民間業者によって運営される介護付き有料老人ホームは、費用が比較的高く設定されることが多いです。

 

その分サービスは手厚く、食事や入浴、排せつ、掃除などの介助サービスを受けられます。

 

また、レクリエーションやイベントなども多い傾向にあります。

 

介護医療院は、長期的な医療支援と介護サポートを必要とする高齢者を対象とした施設です。

 

そのため、長期にわたって療養が必要な方や、医療支援と介護サポートを重視する方は、介護医療院を選ぶのがおすすめです。

 

老人ホームを比較しながら探したい方は、「あなたらしく」をご利用ください。

 

>>「あなたらしく」を利用して希望の施設を探す