「ユニット型グループホーム」とは、家庭に近い環境で介護や支援を受けられる施設です。
少人数でユニットを作って集団ケアを行うスタイルには、入居者の個性や生活リズムを尊重できるという良さがあります。
今回の記事では、「ユニット型グループホームの特徴」を詳しくご紹介します。
また、ユニット型のメリットとデメリットについても解説しますので、じっくり比較してみてください。
グループホームにおけるユニットとは?
グループホームのユニットとは、入居者それぞれの個室と共同のスペースを確保した生活単位のことです。
具体的には、多くの場合、中央に共用スペースを設置し、その周囲をぐるりと取り囲むように1人用の居室を配置します。
この共用スペースは、一般住宅のリビングルームのような雰囲気で設計されています。
なぜなら、自宅に近いアットホームな住環境で穏やかに暮らしてもらうという大きな目的があるからです。
また、ユニットの人数は「5~9名」となっており、1つの施設には「2~3ユニット」が作られるのが一般的です。
そして、各ユニットには専属のスタッフがつき、個々の入居者の状況を把握しながら丁寧なケアやサービスを提供しています。
なお、ユニット型グループホームは、主に認知症の症状を抱える方や障害のある方が入居の対象です。
顔なじみの人々に囲まれながら生活することで適度な刺激を得られるため、認知症の症状が和らぐ可能性も期待できます。
ユニット型特別養護老人ホームについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
「ユニット型特養とは?特徴や従来型との違いを詳しく解説」
⇒ ご参照ください。
ユニット型グループホームを選ぶメリット
ユニット型グループホームは人気が高く、定員に達している施設も増加しています。
ここからは、ユニット型グループホームならではの「メリット」をチェックしていきましょう。
プライベート空間を確保できる
ユニット型グループホームには、入居者専用の個室が用意されています。
自身のプライベートな空間を確保できるので尊厳が守られやすく、生き生きと生活できるでしょう。
スタッフやほかの入居者と交流したいときには共同スペースで、一人で過ごしたいときには自室でといったように、気分に合ったスペースで過ごせば、ストレスを溜めてしまうリスクも減らせます。
自由な生活を実現できる
老人ホームによっては、一日のスケジュールが事細かに決められていることもあります。
しかし、施設が決めたスケジュールに沿って行動することを嫌がる方は少なくありません。
その点、グループホームはある程度自分の思いどおりに過ごせるので、より自由な生活を実現することが可能です。
部屋に愛用品を持ち込んだり、趣味の時間を確保したりと、自宅で過ごすのと同じようなリラックスタイムを楽しんでみましょう。
スタッフとの人間関係を構築しやすい
ユニット型のグループホームは、ユニットごとに専属の介護スタッフがつく仕組みになっています。
認知症を抱える方は、なじみのない相手に緊張したりストレスを感じたりすることもあります。
そのため、同じスタッフがずっと担当してくれれば、安心してケアを任せられるでしょう。
スタッフと家族のような信頼関係を構築できるのも、ユニット型グループホームの大きな魅力です。
感染症の流行をおさえられる
高齢者向け施設では、インフルエンザや新型コロナウイルス、ノロウイルスなどの感染症が流行することがあります。
多くの高齢者は抵抗力が弱いため、早い段階で適切な隔離処置を行わないと、入居者全体に感染症が広がってしまう恐れもあります。
しかし、ユニット型のグループホームであれば、感染者を隔離しながらケアすることができるため、施設内感染のリスクを大きく下げられるでしょう。
ユニット型グループホームを選ぶデメリット
ユニット型グループホームにはいくつものメリットがありますが、以下のような「デメリット」も考えられます。
人間関係がうまくいかないことがある
ユニット型グループホームでは少人数がユニットを作って生活します。
そのため、中にはユニットのメンバー同士の相性が合わなかったり、トラブルやいさかいが起きてしまったりするケースもあります。
人間関係が悪くなってしまうとストレスが生じ、日々の生活にも支障をきたしかねません。
また、別のユニットに移動しなければならない可能性があるほか、最悪の場合、別の施設に移らなければならない恐れもあります。
孤独を感じることがある
ユニット型グループホームには個別の部屋が用意されており、自分の時間をゆっくりと過ごすことができます。
一方で、プライベートの時間が長くなるために孤独を感じてしまう入居者もいます。
一人で過ごすのがあまり好きでないという方は、積極的に共用スペースに行くなどの工夫をしてみるとよいでしょう。
費用が高めに設定されることが多い
ユニットケアのグループホームは、ほかのスタイルの老人ホームと比較して費用がやや高くなることがあります。
個別のユニットを作るとなると、居住費や光熱費がどうしても割高になってしまうためです。
施設によっては、利用者負担額が想定以上に高くなってしまう恐れもあるので注意しましょう。
ユニット型グループホームはどんな人に最適?
老人ホームにはさまざまな種類があり、どんな施設を選ぶべきかと悩む方もたくさんいます。
ここからは、「ユニット型グループホームに向いている人の特徴」を見ていきましょう。
住み慣れた地域で暮らし続けたい人
ユニット型グループホームは、施設と同一の市区町村に住民票がある方のみを対象としています。
遠方からの入居が認められていないため、施設には同一エリアの方が多く集まります。
住み慣れた地域で顔なじみの人とゆっくり暮らしたい方には、ユニット型グループホームでの生活が適しているでしょう。
集団生活に抵抗がない人
ユニット型グループホームは集団生活に抵抗がない人に向いています。
なぜなら、入居者ごとに個室が割り当てられているものの、一日中ずっと個室で過ごすのは難しいためです。
食事の時間や家事の時間、自由時間などに共用スペースに行けば、ほかの入居者やスタッフとのコミュニケーションの機会も確保できる反面、食事の時間には必要に応じて準備や片付けを手伝うことが求められるでしょう。
他人との交流にストレスを感じやすい人にとっては煩わしく感じることがあるかもしれません。
また、暴言や暴力行為が見られる人も、ユニット型グループホームにはあまり向いていないでしょう。
共同生活が難しいと判断された場合、退去を求められることもあるので注意しましょう。
認知症の進行を遅らせたいと考えている人
ユニット型グループホームでは、認知症の進行をおさえるための対策を積極的に講じています。
スタッフやほかの入居者と一緒に食事を用意したり会話を楽しんだりすることは、脳や身体に良い刺激をもたらします。
また、ユニット型グループホームでは、排泄や家事など自分でできることはできるだけ自分でするよう促されるのが一般的です。
とはいえ、スタッフは入居者の行動を随時見守り、必要に応じてサポートをしてくれるので、不安を感じる必要はありません。
日々の生活の中で適度な刺激を受けられれば、認知症の症状が進みにくくなる効果も十分期待できます。
ユニット型グループホームをお探しなら「あなたらしく」をご活用ください。