デイサービスにはさまざまな種類がありますが、リハビリテーションを必要とする方々にとって、特に注目すべき選択肢がリハビリ特化型デイサービスです。
このサービスは、利用者一人ひとりのニーズに合わせた個別の機能訓練やトレーニングを提供する、専門性の高い事業所として知られています。
一般的なデイサービスとリハビリ特化型デイサービスの間には、提供されるケアの内容や施設の特徴など、多くの重要な違いがあります。
これらの違いを理解することは、自身に最適なサービスを選択する上で非常に重要です。
そこで今回は、「リハビリ特化型デイサービスと一般的なデイサービスの違い」から、「その特徴や利用条件」について詳しく解説します。
ご自身やご家族の健康維持・改善に向けた適切なサービスを選ぶ際に、ぜひ参考にしてください。
リハビリ特化型デイサービスとは?
リハビリ特化型デイサービスとは、体力維持や身体能力向上のためのリハビリを受けられる施設です。
施設には理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師といったリハビリの専門家が在籍しています。
プロの指導のもとでケアを受けられるので、より効率よくリハビリのプログラムを進められます。
例えば、病の後遺症が残り歩行が難しいという方には、歩行訓練を中心としたプログラムがおすすめです。
また、関節リウマチなどの疾患を抱える方なら、関節マッサージやエクササイズが効果的です。
そして、リハビリ特化型デイサービスには体力や筋力をつけて介護予防につなげるという目的もあります。
プロの手による機能訓練を受ければ、身体能力の向上も十分に見込めるでしょう。
リハビリをしたいという高い意識を持っている方、身体機能の維持や向上を目指したい方にとって、リハビリ特化型デイサービスの利用はかなり有意義なものとなります。
一般的なデイサービスとの違い
以下では、一般的なデイサービスとリハビリ特化型デイサービスの違いについて解説します。
利用時間の違い
リハビリ特化型デイサービスとそれ以外のデイサービスの大きな違いとして、利用できる時間の長さが挙げられます。
一般のデイサービスは日常生活のケアや生活支援の提供を目的としており、利用時間は7~9時間ほどに及びます。
とはいえ、午前のみや午後のみなど、短時間利用することも可能です。
一方、リハビリ特化型デイサービスの利用時間は、一般的なデイサービスと比較して短く、3~5時間程度に設定されることがほとんどです。
多くの施設では、午前の回と午後の回で利用者を分けて運営しています。
短時間で効率よくトレーニングや機能訓練を受けられるのが、リハビリ特化型デイサービスの大きな特徴です。
ただし、利用時間の短いリハビリ特化型デイサービスは、家族の介護負担を軽減したい場合には、あまり向かない施設とも言えるでしょう。
サービス内容の違い
一般的なデイサービスでは、食事のサポートや入浴介助などのケアが実施されます。
また、レクリエーションやイベントに参加できるのも、一般的なデイサービスの特徴です。
日常的なケアを受けたい方や人とのつながりを感じたい方には、一般的なデイサービスの利用が向いています。
これに対し、リハビリ特化型デイサービスでは食事や入浴ケア、レクリエーションやイベントなどは基本的に実施されません。
リハビリ特化型デイサービスはあくまでリハビリケアを提供している施設です。
そのため、リハビリケアを受けたいときにはリハビリ特化型デイサービスを、入浴や食事を目的としてデイサービスを利用したい場合には通常のデイサービスを利用しましょう。
利用者層の違い
リハビリ特化型デイサービスは、主に65歳以上で要介護1~5と認定された方を対象としています。
ただし、施設によっては要支援1、2の方も利用できる場合があります。
このサービスは、比較的軽度の要介護者に多く利用されています。
また、運動習慣をつけたいものの一般のフィットネスクラブには不安を感じる方にも適しています。
さらに、ケガや病気の回復後に専門的なケアを必要とする方々にも選ばれています。
ただし、身体状態によっては、プログラムの実施が困難と判断され、利用できない場合もあります。
そのため、身体状態に不安がある方は、ケアマネージャーに事前相談することをおすすめします。
ケアマネージャーは個々の状況を考慮し、最適なサービス選択をサポートしてくれるでしょう。
在籍するスタッフの違い
リハビリ特化型デイサービスには、機能訓練指導員が多数在籍しています。
これらの専門家は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師などの資格を持つリハビリのプロフェッショナルです。
彼らの役割は、利用者一人ひとりの身体能力に合わせた機能訓練を提供することです。
ここでいうリハビリは、単に身体機能の回復だけでなく、機能の維持や体力作りも含みます。
このような幅広い知識を持つ専門家のサポートを受けられることが、リハビリ特化型デイサービスの大きな魅力の一つと言えるでしょう。
所有する設備の違い
リハビリ特化型デイサービスは、設備面でも一般のデイサービスと大きく異なります。
一般のデイサービス施設では、入浴ケア用の浴槽や食堂などが主な設備です。
一方、リハビリ特化型デイサービスでは、これらの施設はほとんど見られません。
代わりに、数多くのトレーニングマシンの設置されており、初めて利用する方は、スポーツジムを訪れたような印象を受けるかもしれません。
デイサービスについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご活用ください。
リハビリ特化型デイサービスの特徴や利用条件
先述のとおり、リハビリ特化型デイサービスは、利用者の身体機能回復や維持を目的とした、専門的なリハビリテーションを提供するデイサービスです。
このサービスの最大の特徴は、個々の利用者の身体状況や目標に基づいてカスタマイズされたリハビリプログラムの提供です。
これにより、筋力強化訓練やバランス訓練、歩行訓練など、個別に必要とされる身体機能改善に焦点を当てたサービスを受けることが可能です。
また、専門的な作業療法や言語療法も提供され、これらは日常生活動作(ADL)の改善や自立支援に大いに役立ちます。
プログラムの進捗は定期的に評価され、目に見える形での成果確認ができるため、モチベーションを維持しやすくなっています。
さらに、同じ目標を持つ他の利用者との交流も、リハビリを続ける上での大きな励みになるでしょう。
なお、リハビリ特化型デイサービスを利用するためには、介護保険の申請を行い、要介護認定を受けた後、ケアマネージャーと協力してケアプランを作成する必要があります。
施設の選択にあたっては、スタッフの専門性や設備、提供されるプログラムの充実度、施設の雰囲気、アクセスの良さなど、さまざまな要素を総合的に検討することが重要です。
リハビリ特化型デイサービスをお探しの方は、「あなたらしく」をご活用ください。