従来型の特別養護老人ホームの特徴やメリット・デメリットを紹介

2024年10月28日

従来型の特別養護老人ホームの特徴やメリット・デメリットを紹介

特別養護老人ホームは要介護者を対象とした入居型施設で、社会福祉法人や地方自治体などによって公的に運営されています。

 

そのような特別養護老人ホームには、従来型ユニット型といった種類があります。

 

近年では、ユニット型特別養護老人ホームが増えつつありますが、従来型の特別養護老人ホームにも根強い人気があります。

 

そこで今回は、従来型の「特別養護老人ホームの特徴」を詳しく解説します。

 

 

従来型とユニット型の違い

従来型とユニット型の違い
 
 
特別養護老人ホーム(特養)は大きく、従来型とユニット型に分けられます。

 

以下では、「それぞれの違い」について見ていきましょう。

 

従来型特別養護老人ホームとは

 
従来型特別養護老人ホームには、従来型個室や従来型多床室といったスタイルがあります。

 

その中でも、各地に古くからあるのが「多床室タイプ」です。

 

多床室とは病院の病室のようなイメージの居室で、1部屋に2~4人が居住できるようになっています。

 

集団ケアを採用している従来型多床室には、生活サポートを効率よく行えるという良さがあります。

 

また、個々の入居者に個室を提供する従来型個室の特別養護老人ホームも数多く存在します。

 

従来型個室タイプの特別養護老人ホームでは完全な個室を使えるため、プライバシーを確保しながら快適に生活できます。

 

ユニット型特別養護老人ホームとは

 
最近では、従来型に代わってユニット型を採用する特別養護老人ホームが増えてきました。

 

ユニット型とは、ユニットケアという効率の良い介護手法を取り入れるための居室です。

 

居室の前に共同のリビングスペースを設置し、その共用スペースを取り囲むように個室を配置するのが、ユニット型の大きな特徴です。

 

1つのユニットの入居者は9人ほどに設定されるのが一般的です。

 

部屋を出ればすぐに共用スペースを利用できるユニット型には、入居者やスタッフとの交流が盛んになるというメリットがあります。

 

また、ユニット型個室的多床室と呼ばれるスタイルを採用している特別養護老人ホームもあります。

 

ユニット型個室的多床室は、多床室を簡易的な壁で仕切って個室のように使うスタイルです。

 

壁は簡易的なものなのでプライバシーが完全に守られるわけではありませんが、周囲の目を気にせず過ごすことは十分可能です。

 

従来型の特別養護老人ホームの特徴

従来型の特別養護老人ホームの特徴
 
従来型特別養護老人ホームは、自治体などによって公的に運営されています。

 

介護付有料老人ホームや住居型有料老人ホームといった施設と比較して費用が安く、入居しやすいのが特徴的です。

 

そのため、特別養護老人ホームへの入居を希望する高齢者は多く、施設によっては長期にわたって入居待ちをしなければならないこともあります。

 

従来型の特別養護老人ホームの入居対象者は原則として「要介護3以上」です。

 

重度の要介護状態の方、認知症を患う方は優先的に入居を認められる仕組みになっています。

 

なお最近では、多くの従来型の特別養護老人ホームが個室スタイルを採用していますが、古い施設を選んだ場合には多床室を割り当てられることもあります。

 

特別養護老人ホームへの入居を検討している方には、こちらの記事もおすすめです。

 

『特別養護老人ホームとは?老人ホームとの違いや費用、申し込み方法について』
⇒  ご参照ください。

 

従来型の特別養護老人ホームのメリット

従来型の特別養護老人ホームのメリット
 

従来型特別養護老人ホームを選んで入居することには、以下のような「メリット」があります。

 

利用料金がリーズナブル

 
従来型特別養護老人ホームは、ユニット型と比較して費用が安くなるのが一般的です。

 

地域やサービス内容によって費用体系は異なりますが、ユニット型特別養護老人ホームの利用費用は従来型と比較して「5万円前後高め」に設定されています。

 

ユニット型特別養護老人ホームのほとんどは新設されたばかりで設備も新しいため、利用料金が高く設定されやすいのです。

 

そのため、費用面に不安がある場合には、ユニット型ではなく従来型の特別養護老人ホームを選んだ方がいいかもしれません。

 

特に、従来型多床室の特別養護老人ホームは、費用がかなり低く設定されており、入居しやすくなっています。

 

プライバシーを確保しやすい

 
個々の入居者に個室が用意されており、部屋でゆっくりくつろげるのが、従来型個室の魅力です。

 

これに対してユニット型は、部屋の前に共用スペースがあるため、プライバシーの不安を感じることがあるかもしれません。

 

従来型個室の特別養護老人ホームは、プライバシーを確保しながら生活したい方に向いている施設です。

 

人間関係のわずらわしさがない

 
ユニット型特別養護老人ホームは、共用スペースで周囲の人とコミュニケーションを取りながら過ごすことを想定して作られています。

 

しかし、狭い人間関係の中で日々を過ごすうちに、意見の衝突が起きることもあるかもしれません。

 

また、気の合わない相手との交流が負担になり、部屋に引きこもりがちになってしまうケースも考えられます。

 

完全な個室で生活できる従来型個室の特別養護老人ホームを選べば、こういった気まずさを味わうことはなくなります。

 

わずらわしい交流を避けながらマイペースに過ごせるのは、従来型個室の特別養護老人ホームならではのメリットと言えるでしょう。

 

従来型特別養護老人ホームを選ぶデメリット

 

前述のように、従来型特別養護老人ホームには多くのメリットがある一方で、以下のような「デメリット」も考えられます。

 

スタッフと顔なじみになるのが難しい

 
ユニット型特別養護老人ホームの介護スタッフは、ユニットごとに担当者が決まっています。

 

これに対して従来型は、入居者ごとに専任のスタッフが配属されるわけではないという点に注意が必要です。

 

特に、入居人数の多い従来型特別養護老人ホームには、多くのスタッフが在籍しています。

 

こういった施設では対応してくれるスタッフが日々異なるために、なかなか顔なじみになれない可能性があります。

 

また、施設によってはスタッフ間の引き継ぎや情報共有がうまくいかないケースもあるかもしれません。

 

孤独を感じることがある

 
孤独感に悩まされやすいのも、従来型個室の特別養護老人ホームのデメリットです。

 

従来型個室は、共用スペースまでの距離が離れているため、他の入居者とのコミュニケーションの機会がどうしても減ってしまいます。

 

また、従来型多床室の特別養護老人ホームであれば孤立しにくいと考える方もいるかもしれませんが、多床室の入居者同士が会話をする機会はそれほど多くありません。

 

複数人で室内にいるからといって、コミュニケーションが活性化するとは限らないようです。

 

建物が古いことがある

 
近年、新設される特別養護老人ホーム(特養)の多くはユニット型を採用しています。

 

そのため、従来型を選ぶ場合、比較的古い建物である可能性が高くなります。

 

建物の古さが必ずしも生活の質の低下を意味するわけではありませんが、設備の充実度や建物の耐久性には注意を払う必要があります

 

古い施設では、最新の設備が整っていなかったり、建物の一部に経年劣化が見られたりする場合があるからです。

 

従来型特養を検討する際は、実地見学を行うことをおすすめします。

 

直接目で見て、設備や建物の状態を細かく確認することで、より適切な判断ができるでしょう。

 


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