ナーシングホームとは?老人ホームとの違いをわかりやすく解説

2024年8月1日

ナーシングホームとは?老人ホームとの違いをわかりやすく解説

「ナーシングホーム」とは医療的なサポートを必要とする方向けの施設で、十分な人数の看護師が在籍しているのが特徴です。

 

最近では、より専門的なケアを受けられるナーシングホームを選んで入所する方が増えています。

 

この記事では、「ナーシングホームで受けられるケア」について、また「老人ホームとの違い」について詳しくご紹介します。

 

 

ナーシングホームとは医療ケアを提供する施設のこと

ナーシングホームとは医療ケアを提供する施設のこと
 
病を抱える方のケアが難しい場合には、ナーシングホームで医療ケアを受けるという選択肢を検討してみましょう。

 

ナーシングホームとは、常時医療行為が必要な方の受け皿として設置されている住居型施設です。

 

施設には24時間365日にわたって看護師が常駐しており、老人ホームで提供されるような介護ケアのほか、専門的な医療処置、緩和ケアや看取りといったケアなども提供します。

 

さらに、入居者の見守りや健康管理、地域の医師との連携による医療対応や急変時の対応などにも対応できるのが特徴的です。

 

近年では高齢者の割合が増加していますが、医療現場には十分な病床数がなく、医師や看護師の人手も足りていません。

 

こういった事情があり、日本の病院では長期間の入院が難しいことから、療養にあたっては自宅に戻ったり老人ホームに入ったりする可能性も否めません。

 

しかし、少子化や核家族化の影響で、在宅での介護や看取りができないケースも増えているのが実情です。

 

欧米には多くのナーシングホームがありますが、日本国内ではそれほど普及しておらず、そのサービス内容も法的に定義されていません。

 

しかし、終末期ケアや看取りケアの重要性が認知されつつあることから、今後はナーシングホームの数も増加していくと考えられます

 

ナーシングホームと老人ホームの違い

ナーシングホームと老人ホームの違い
 
ナーシングホームは一般的な老人ホームとは異なる特徴をもちます。

 

ここからは、「ナーシングホームと老人ホームの違い」について考えていきましょう。

 

医療体制の違い

 
一般的な老人ホームには介護スタッフは在籍していますが、医療スタッフは常駐していないことがほとんどです。

 

老人ホームで医療が必要となったときには、提携医療機関の医師が訪問診療や往診をする形で対応します。

 

一方、ほとんどのナーシングホームでは看護師が24時間常駐して入居者のケアにあたります

 

医療体制がより充実しているのが、ナーシングホームの大きな特徴です。

 

入居条件の違い

 
老人ホームの入居条件は施設の種類によって異なります。

 

自立した生活を送ることを目的としている施設では、要介護度が高い方や日常的な医療ケアを必要とする方の入居を断るケースもあります。

 

これに対してナーシングホームは、要介護度が高い方医療依存度が高い方を対象とした施設です。

 

要介護4や要介護5で寝たきりの方、難しい症状を抱えている方でも安心して入居できるのが、ナーシングホームの大きな特徴です。

 

ケアやサポートの目的の違い

 
老人ホームとナーシングホームは、どちらも高齢者や病を抱える方の生活の質を維持する場所という意味では共通しています。

 

ただ、老人ホームのサービスの目的は、日常生活での自立を支援するという意味合いが強いです。

 

これに対して「ナーシングホーム」のサービスは、病をもつ方の余生を充実させるという意味合いをもっています

 

終末期ケアや看取り対応の違い

 
終末期の緩和ケア看取りに対応しているのが、ナーシングホームの大きな特徴の1つです。

 

最近では看取りに対応する老人ホームも増加傾向にありますが、終末期のケアに対応していない施設も少なくありません。

 

老人ホームへの入居後に病を発症したり病状が悪化したりした場合には、転居が必要となる可能性がありますが、ナーシングホームに入居すれば終の住み家として生活を続けられます。

 

余命宣告を受けているなど、終末期のケアを必要としている場合には、より手厚いケアを受けられるナーシングホームを選ぶとよいでしょう。

 

病を抱える方の老人ホーム探しについてはこちらの記事も参考にしてみてください。

 

「病気があっても老人ホームに入所できる?対応可能な病気を紹介」
⇒  ご参照ください。

 

ナーシングホームで受けられるサービス

ナーシングホームで受けられるサービス
 

ナーシングホームでは、一般的な老人ホームで提供されるような介護ケアのほか、以下のように多くのサービスを受けられます。

 

医療サービス

 
専門性の高い医療サービスを受けられるのがナーシングホームの大きな特徴です。

 

ナーシングホームでは、入院するのとそれほど変わらない質の高い医療サービスを24時間体制で受けられます。

 

胃ろうや腸ろう、鼻腔経管栄養、在宅酸素、喀痰吸引、ストーマや尿バルーン、注射や点滴、薬の処方などが、受けられる医療行為の具体例です。

 

さらに、多くのナーシングホームには看護師が常駐するほか、併設の医療機関や訪問診療所との連携も行われます。

 

体調が急変した際には医師の往診などの対応も受けられるので安心できます。

 

介護サービス

 
ナーシングホームでは一般的な老人ホームと同様の介護サービスも受けられます

 

疾患を抱える方にとって、日々の食事や入浴、排泄などの行動は大きな負担となってしまいます。

 

安心して日常生活を送るためにも、介護スタッフのきめ細やかなサポートを受けたいものです。

 

また、介護サービスの一環としてレクリエーションを提供しているナーシングホームも多いです。

 

ナーシングホームで提供されるレクリエーションには、身体機能を向上させる効果のほか、心理的な安定感が高まる効果も期待できます。

 

機能訓練やリハビリ

 
機能訓練やリハビリを積極的に実施しているナーシングホームも少なくありません。

 

ナーシングホームでは、理学療法士作業療法士といった専門職員が機能訓練やリハビリを担当するのが一般的です。

 

個々の身体機能や症状に応じてプログラムを組んでもらえるのが、施設で提供される機能訓練やリハビリを受けるメリットです。

 

「体操や軽いトレーニング」、「脳トレ」などのプログラムを通して、身体機能の維持や向上を目指しましょう。

 

生活支援

 
生活支援とは、普段の家事をはじめとした身の回りのことをサポートしてもらえるサービスです。

 

自宅で生活していく場合には、清掃や洗濯、食事の用意など生活に必要なさまざまな家事を日々行わなければなりません。

 

疾患を抱えた方は、これらの家事がうまくできなかったり、時間がかかってしまったりすることがあります。

 

ナーシングホームではこういった身の回りのことをすべてスタッフに任せられるので、より快適に生活できます。

 

終末期ケア

 
終末期ケアとは、余命がわずかになった方に対して行われるケアのことで、ターミナルケアとも呼ばれます。

 

終末期ケアは治療や延命を目的とはしておらず、体の痛みや精神的な苦痛を和らげることや生活の質を向上させることを重視しているのが特徴です。

 

ナーシングホームでは、入居者が最期まで尊厳をもって生きられるよう、丁寧なケアを実施しています。

 

適切な終末期ケアをしているナーシングホームを選べば、残された時間を心穏やかに過ごせるでしょう。

 

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