旅行を趣味としてきた方やアクティブな活動が好きな方は、老人ホームへの入居後にも旅行をしたいと考えるかもしれません。
旅行は良い刺激になりますし、家族や仲間との思い出作りにもぴったりです。
とはいえ、状況によっては老人ホームからの旅行が許可されないこともあるので注意しましょう。
今回は、老人ホームから旅行に行けるのかについて解説します。
老人ホームから旅行に行くことはできる?
老人ホームに入居したあとには一切外出ができないということはなく、希望すれば外泊や旅行に出かけることも可能です。
まずは、高齢者におすすめの旅行スタイルについてご紹介します。
ご家族やご友人との旅行を楽しむ
旅行は、普段とは違う体験を楽しめるまたとない機会です。
旅行先で美しい景色を眺めたりおいしいものを食べたりすれば、わくわくする時間を過ごせるでしょう。
日常生活で不安やストレスを抱えている方は、旅行を通じてリフレッシュできるかもしれません。
「体が弱ってきたので旅行は難しいかも」という方でも、思い切って旅をすれば大きな達成感を得られるでしょう。
気心の知れたご家族やご友人との旅行は、かけがえのないステキな思い出になるはずです。
ただし、高齢者が旅行をする際には安全性に十分配慮する必要があります。
休憩を長めに取ったり時間にゆとりのあるスケジュールを立てたりと工夫しましょう。
また、旅先で疲れが出てしまったときには予定を変更するなど、柔軟な対応をしたいものです。
老人ホーム主催の旅行に参加できることもある
最近では、老人ホームが旅行会社と協力し、希望者向けに旅行を提供するケースも増えてきました。
要介護認定を受けている方は、旅先での移動や観光の際に配慮が必要となりますし、バリアフリーの設備も欠かせません。
ご家族に大きな負担がかかってしまうからと、旅行をあきらめている方も少なくないでしょう。
しかし、老人ホームが提供する旅行イベントであれば、介護スタッフや看護スタッフが同行するので、いざというときにはすぐに適切な対応を受けられます。
また、老人ホーム主催の旅行は参加者の負担を和らげるため、無理のないプランが組まれているので安心です。
快適に旅行をしたい方は、旅行のレクリエーションやイベントを提供している老人ホームを選ぶのもよいかもしれません。
旅行に行くことが許可されないケース
多くの老人ホームでは、事前に相談すれば旅行の許可を問題なく得られます。
しかし、以下のような状況下では旅行が許可されないこともあるので注意しましょう。
体調が悪い場合
入居者が体調を崩しているときや感染症にかかっているときには、旅行の許可が下りないのが一般的です。
前々から旅行を計画していた場合でも、風邪や体調不良のときには旅行をキャンセルしなければならないかもしれません。
精神的に不安定な場合
老人ホームには、心身のバランスを崩しやすい方も入居しています。
普段の生活の中でリラックスできている方でも、環境が変わると急に不安定になってしまう可能性は十分に考えられます。
こういった場合には外出が制限される可能性があるので、施設スタッフとよく相談してみましょう。
付き添える人がいない場合
老人ホームから旅行に出かけるときや外泊するときには、付き添いが必要となるのが一般的です。
家族や友人など、信頼できる人が付き添えるのであれば問題なく旅行できますが、そうでない場合には許可が下りないかもしれません。
老人ホームから旅行に出かける際には、安全のためにも必ず付き添いをつけましょう。
要介護度が高い場合や認知症の症状が重い場合
要介護度が高くなると自力での移動や食事、排泄などが困難になります。
こういった方は安全に旅行できない可能性があるため、旅行を禁止されてしまうかもしれません。
また、日常的に医療処置が必要な方や、認知症の重い症状を抱えている方の場合も、旅行のハードルはかなり高くなってしまいます。
とはいえ、看護師が同行するなど、起こり得るリスクに対処できるのであれば旅行を許可されることもあります。
老人ホームからの外出ができないケースについてはこちらの記事もご覧ください。
「老人ホームは外出禁止?外出できないケースを詳しく紹介」
⇒ ご参照ください。
老人ホームから旅行に行くときの一般的な流れ
ここからは、老人ホーム入居者とともに旅行に出かける際の流れについてご紹介します。
旅行が可能かどうかを検討する
まずは、旅行ができるかできないかを十分に検討することから始めましょう。
一緒に旅行するご家族やご友人だけでなく、施設スタッフ、医師、ケアマネージャーなどにも相談しておくのが安心です。
専門家が難色を示した場合には、どのような対策をすれば旅行できるのかを相談してみるとよいでしょう。
ご家族やご友人が必要に応じてサポートできるのであれば、旅先でのトラブルを防ぎやすくなります。
旅行プランを決める
専門職に確認し、問題なく旅行ができる見通しが立ったのであれば、具体的なプランを考えていきましょう。
まずは目的地を決め、続いて旅程を考えていくと計画がうまく進みやすくなります。
ご本人や同行者が行きたい場所を選定するほか、ご本人の故郷への旅行を計画するのもおすすめです。
旅行のプランを詰め込みすぎてしまうと、疲れが出やすくなったり事故のリスクが高まったりするので注意が必要です。
安心して旅行を楽しむためにも、時間に余裕をもたせたプランを立てるようにしましょう。
日程や旅程が決まった段階で施設に連絡し、外出の申請を済ませておくことも大切なポイントです。
移動手段を決める
どのような移動手段を選ぶのかといったポイントも事前に決めておきましょう。
移動手段は自家用車や介護タクシー、新幹線や在来線、バス、飛行機などさまざまです。
例えば新幹線には車椅子対応座席や多目的室があり、意外と快適に旅行できます。
また、飛行機も車椅子のままで搭乗できるので、利用を希望する際には事前に問い合わせや予約をしておきましょう。
目的地の情報を決める
目的地やその場所に至る道のりの情報をチェックしておくのも大事なポイントです。
体が不自由な方や車椅子の方と旅行するのなら、バリアフリー設備のある観光地やホテルを選ぶのが安心です。
また、旅先にエレベーターや多目的トイレがあるか、レストランの食事形態に問題はないか、温泉に手すりがあるかといった点も見ておきましょう。
認知症の症状をもつ方は、環境の変化で不安定になってしまうことがあります。
心身のバランスを崩すおそれがある場合には、食事や入浴の際に個室を用意するなどの配慮をするとよいでしょう。
荷物を準備する
旅行の日程が近づいたら、必要な荷物を確実に準備しておきましょう。
介助やケアに必要な物品を忘れてしまった場合、現地で調達できず困らされるかもしれません。
自助具やおむつ類、保険証や薬などを忘れずに準備しておけば、安心して旅行を楽しめます。
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