新型コロナウイルス感染症は現在では5類移行となり、多くの方が感染対策をしながらも通常の生活を続けています。
しかし、免疫力の弱い高齢者にとってはまだまだ厳重警戒すべき病です。
感染をきっかけとして重篤な症状に陥るケースもあるため、十分な対策を行いたいものです。
そこで今回の記事では、「老人ホームにおける新型コロナウイルス感染症対策」について詳しく解説します。
一般的な老人ホームでの新型コロナウイルス感染症対策
老人ホームには免疫力の弱い方が多く生活しているため、新型コロナウイルス感染症の蔓延が起きないよう十分な対策を心がけたいものです。
まずは、多くの老人ホームで実施されている新型コロナウイルス感染症対策についてチェックしていきましょう。
換気
老人ホームの施設スタッフは新型コロナウイルス感染症対策として定期的な換気を実施しています。
室内に空気が滞留した状態が続くと、新型コロナウイルス感染症のリスクは高まりやすくなります。
感染対策のためには、数時間おきに室内の2か所以上の窓やドアを開けて空気を入れ替えることが重要なのです。
温度や湿度の管理
室内の温度や湿度を適正に保つことも重要な新型コロナウイルス感染症対策になります。
夏場には換気によって室内が暑くなる可能性がありますし、冬場は逆に冷たい空気が部屋に入り込んでしまいます。
また、冬場の室内は乾燥しやすく、ウイルスや細菌が増えてしまう可能性も考えられるため、意識的な対策が必要です。
冷房や暖房、加湿器などを使って室内の環境を整えれば、感染症のリスクを下げられます。
消毒
感染拡大を防ぐためには老人ホーム内の消毒も欠かせません。
施設のケアスタッフや清掃スタッフは、老人ホームで多くの人が触る部分をこまめに消毒し、感染症の蔓延を防いでいます。
ドアノブや手すり、照明スイッチ、エレベーターのボタン、椅子のひじかけなど、不特定多数が触れる可能性のある場所は施設内にたくさんあります。
こういった場所を丁寧に拭き上げてアルコール消毒をしておくことで、万一施設内で新型コロナウイルス感染症が発生した場合でも感染拡大を防ぎやすくなるのです。
健康管理
老人ホームではスタッフが入居者の「健康チェック」や「健康管理」を実施しています。
毎日の検温や体調チェックで気になる点があるときにはスタッフ間で情報を共有したり、必要に応じて医師に相談したりといった対処が行われます。
適切に健康管理を続けていれば、入居者が万一新型コロナウイルス感染症にかかってしまったときでも早期に発見し、適切な治療につなげることが可能です。
新型コロナウイルスへの感染を防止するには?
新型コロナウイルス感染症にかかってしまった場合、なかなか症状が回復しないまま重篤化してしまう可能性も考えられます。
安心して生活するためにも、感染を防止する対応策が必須となります。
ここからは、感染から身を守るために「個人でできる対策」について考えていきましょう。
密集や密閉空間を避ける
新型コロナウイルス感染症の対策では「密閉・密集・密接」の三密が話題となりました。
多くの人が集まる場所や換気が行われていない密閉された場所で過ごす時間が増えると、新型コロナウイルス感染症にかかるリスクは跳ね上がってしまいます。
感染を防止するためにも、可能な範囲でほかの人との距離を取るよう意識したいものです。
また、必要に応じて室内の換気をし、密閉された場所で過ごさないよう気をつけましょう。
手洗いやうがい、消毒をする
こまめな手洗いやうがい、消毒も重要な感染症対策になります。
外から帰ったときや、公共の場所で不特定多数が触るようなものに触れたあと、トイレのあと、鼻をかんだりせきをしたりしたあとなどには、手洗いやうがい、アルコールによる手指消毒を徹底しましょう。
面会に訪れたご家族が新型コロナウイルス感染症を持ち込む可能性も考えられます。
そのため、ご家族と面会したあとにも、うがいや手洗い、消毒などの対処をしておけば安心できます。
また、食事をする前や飲み物を飲む前に手洗いやうがいをすることも大切なポイントです。
手洗いや消毒で手を清潔にし、うがいで喉の雑菌を洗い流すようにしておけば、感染リスクを大きく下げられます。
マスクを着用する
2023年5月に新型コロナウイルス感染症の区分は5類へと移行し、マスクの着用が個人の判断に委ねられるようになりました。
とはいえ、マスクをせずにほかの人と会話をする機会が増えると、感染の可能性は高まってしまいます。
リスクを避けるためにも、ほかの人がいる場所で過ごすときには引き続き「マスクを着用」するのが安心です。
老人ホームでの感染症対策が気になる方はこちらの記事もぜひチェックしてみてください。
「老人ホームにおける感染症対策の重要性や事例について詳しく紹介」
⇒ ご参照ください。
老人ホームで新型コロナウイルスに感染したらどうする?
十分な感染対策をしていても、新型コロナウイルス感染症にかかってしまう可能性はゼロにはなりません。
ここからは、新型コロナウイルス感染症にかかったときの「対処法」について解説します。
感染の疑いがあるときには早めに報告する
新型コロナウイルス感染症にかかっている可能性があるときにはできるだけ早めにスタッフに相談し、対処をお願いしましょう。
老人ホームで新型コロナウイルス感染症にかかってしまった人がいるときには、すぐに施設内で情報を共有します。
その際、スタッフは必要に応じて保健所などへの連絡を行います。
また、感染の疑いがある人に接触した人のリストを用意したり、施設内の消毒を行ったりといった対処も必要です。
感染が疑われた時点で早めにこれらの対処を行えば、感染拡大のリスクを大きく下げられます。
スタッフの指示に従って隔離療養をする
老人ホームで新型コロナウイルス感染症に感染したときには、いったん施設内療養という形で静養するのが一般的です。
施設内療養の際には感染者は隔離されることがほとんどですが、隔離によって介護ケアや看病を受けられないということはないので心配はいりません。
介護やケアの際には防護服を身につけたスタッフが対応するケースがほとんどです。
施設の配置医やご本人のかかりつけ医にも感染の報告が届くため、診察や治療も問題なく受けられます。
また、ご家族に連絡し、治療方針について詳しく相談してもらうことも可能です。
ほかの入居者に感染させないようにする
老人ホームで新型コロナウイルス感染症にかかってしまったときには、ほかの人に感染させないよう十分気をつけたいものです。
老人ホームには免疫力の低い方が多く生活しているため、他人に感染させてしまうと相手を命の危険にさらしてしまうこともあります。
施設スタッフは感染拡大を防ぐための措置を講じているため、指示があったときには必ず従いましょう。
トイレや洗面台は指定された場所のみを使い、共有スペースに行くのは極力避けるなどの配慮をしたいものです。
また、嘔吐をしてしまったときにはスタッフに報告し、適切な処理をしてもらいましょう。
老人ホーム選びにお悩みの方は「あなたらしく」をぜひ活用してみてください。