介護疲れを軽減するポイントや限界を感じたときの対応を紹介

2024年7月4日

介護疲れを軽減するポイントや限界を感じたときの対応を紹介

同居しているご家族の介護をする中で、介護疲れを感じる人は少なくありません。

 

しかし、介護疲れや介護に関する悩みを放置しているとストレスが蓄積し、うつ症状が進んでしまうこともあるので十分気を付けましょう

 

そこで今回は、「介護疲れが起きてしまう原因」について解説していきます。

 

また、介護疲れに悩んだときの対処法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

なぜ在宅介護が続くと介護疲れを感じるの?

なぜ在宅介護が続くと介護疲れを感じるの?
 
ご家族を介護している人が介護疲れを感じるシーンはさまざまですが、多くの人は慢性的な介護によって身体的な負担や精神的な負担を抱えやすい傾向にあります。

 

そこで、介護疲れを和らげるためにも、まずは介護疲れが起きる原因について考えていきましょう。

 

介護による身体的な負担が大きいから

 
ご家族の介護には生活動作のサポートが欠かせないため、介護する人には身体的な負担がどんどん蓄積されていきます。

 

例えば、立ち上がりのサポートの際には大人の体を持ち上げなければなりませんし、トイレや入浴の際にも、しゃがんだり中腰になったりしながら介助する必要があります。

 

このように、大人の体を支える介護を続けるうちに、腰や肩、腕、膝などにはどんどんダメージが溜まっていきます

 

その結果、長期間の介護が原因で腰や膝を悪くしてしまう人もいるため、十分な注意が必要です。

 

さらに、在宅介護は日中だけでなく深夜にも発生するため、慢性的な睡眠不足や生活リズムの乱れに悩まされる人も少なくありません

 

こうして十分に眠れない状態が続くと身体ダメージが回復しにくくなるため、負担はさらに増大してしまうのです。

 

介護によって精神的ストレスが溜まりやすいから

 
在宅介護は終わりが見えないことから、ストレスを溜め込み精神的に追い詰められてしまう人もいます。

 

介護の失敗で症状が悪化してしまわないか、家出や徘徊が起きないかといった心配も、精神的な負担を増大させてしまいます。

 

加えて近年では、別居のご家族や親戚が介護に口を出すものの手伝ってはくれないというケースも増えつつあります。

 

そのため、同居しているご家族が一人で全ての介護を担うという場合には、さらに精神的な負担を感じやすくなるでしょう。

 

介護を主に担当する人は、親族や近隣の人に気遣いをしたり、医療関係者やケアマネージャーとのやり取りをしたりする必要も生じます。

 

このようなさまざまな立場の人とのコミュニケーションが、精神的な負担になってしまう可能性も十分に考えられます。

 

介護による精神的な負担が大きくなると、「介護うつ」のような重い症状が起きることもあるので気を付けたいものです。

 

介護にともなう経済的な負担を抱えているから

 
ご家族を在宅で介護するにあたっては、まとまった費用がかかってしまいます。

 

例えば嚥下がうまくいかない場合には、食事の際に誤嚥防止の食品を用意した方が良いでしょう。

 

また、排泄がうまくできないときに紙おむつの導入も必要となります。

 

自宅の段差を解消したり手すりをつけたりするために、費用をかけてリフォームする人も少なくありません。

 

このような経済的な負担は介護保険の適用を受けることで和らぎますが、いくつものサービスを使えばそれだけ出費は増えていきます

 

さらに、介護に手間や時間がかかるようになったことで離職を余儀なくされた場合、費用的な負担はより深刻化してしまいます。

 

経済的に困窮した状態が続くと精神的な負担も大きくなってしまうため、早めに適切な対処を行いたいものです。

 

認知症介護の難しさに直面しているから

 
最近では、認知症の症状を抱えるご家族を介護する人が増加傾向にあります。

 

認知症の症状が進むと記憶が次第に薄れていき、日常的な動作が難しくなったり、周囲の人のことを忘れてしまったりすることがあります。

 

そのため、認知症の発症によって記憶が薄れ、日常的な動作がままならなくなることに焦りや不安を感じ、攻撃的になる人もいます

 

また、生活への不安感や恐怖感から、周囲に対して距離を置く人も少なくありません。

 

さらに、認知症の症状が進むと徘徊行動なども増えるため、介護者は24時間ずっと気が休まらず、次第に疲れやストレスが溜まってしまうのです。

 

介護疲れを軽減するポイント

介護疲れを軽減するポイント
 

介護疲れに悩まされているときには、以下のような方法で疲れを軽減させましょう。

 

介護の悩みを誰かに相談する

 
介護に関する悩みを相談できる場を見つけることは重要なポイントです。

 

ご家族やご親族だけでなく、ご友人に相談したり、SNSで相談したりすれば、不安や精神的な疲労感は和らぎやすくなるでしょう。

 

また、地域包括支援センターケアプランセンターなどを頼り、介護のお悩みを聞いてもらうのも有効な方法です。

 

このように専門的な機関に相談すれば、思いもよらない解決策を提案してもらえるかもしれません。

 

最近では介護者同士が集まる会などもあるので、同じ悩みを持つ人同士で交流を深めるのも良さそうです。

 

介護のお悩みを一人で抱え込むのは避け、誰かに相談して精神的な負担を和らげましょう。

 

周囲の人に協力してもらう

 
たった一人であらゆる介護に対応していると、介護疲れが慢性化してしまいます。

 

一人で介護を続ける人はつい気負って頑張りすぎてしまう傾向にあるため、心身に大きな負担がかかってしまうのです。

 

さらに、介護が原因で社会から孤立してしまうと、ますます介護疲れや介護負担は大きくなっていきます。

 

そのため、介護疲れを溜め込む前に、ご家族やご親族に相談して協力してもらいましょう

 

例えば、ご家族やご親族が忙しくなかなか手を借りられない場合でも、ときどき手伝ってもらい、その間にリフレッシュたり睡眠をたっぷり取ったりすれば負担が和らぎやすくなります。

 

ストレスをうまく発散する

 
ときには介護から離れて自分の時間を作り、上手にストレスを発散したいものです。

 

趣味に没頭したり、ゆっくり体を休めたりすればストレスの蓄積が起こりにくくなり、再び気持ちよく介護に取り組めるようになります。

 

そのためにも、周囲の人に協力してもらったり、デイサービスなどの介護施設を利用したりと工夫し、介護から離れる時間を作ってみましょう

 

ご家族の介護に疲れてしまったらどうする?

介護疲れを軽減するポイント
 
「家族の介護に疲れてしまった」「在宅での介護に限界を感じる」というときには、老人ホームへの入居も検討してみましょう。

 

在宅介護を続けている人は「自宅を離れて知らない場所で生活させるのはかわいそう」と、老人ホームへの入居に対して抵抗感を持つことがあります。

 

しかし、介護疲れの状態が続くと、介護する側とされる側が共倒れになってしまうリスクが高まります

 

一方で、介護施設には介護のプロが多数在籍しており、必要に応じた適切な介護を受けられます。

 

また、介護を必要とする人が多く暮らしている場所なので、環境に慣れればコミュニケーションを楽しむ機会も増えていきます。

 

機能訓練認知症ケア医療的ケアを受けられる老人ホームを選んで、きめ細やかなケアを受けるのも良い方法です。

 

このように、「介護できるのは自分しかいない」と抱え込むのではなく、介護のプロの手も上手に利用したいものです。

 

介護疲れによる限界を迎える前に、早めに周囲の人に相談したり周辺の施設を探したりしてみてはいかがでしょうか。

 

近隣で老人ホームをお探しの方は、以下の記事も参考にしてみてください。

 

「老人ホームの探し方は?相談先や探す手順について解説」
⇒  ご参照ください。

 

また、老人ホームをお探しなら、「あなたらしく」をご活用ください。

 

>>「あなたらしく」を利用して希望の施設を探す