デイサービスとは、介護を必要とする方が利用できる、介護保険サービスの1つです。
老人ホームなどの介護施設を選んだ場合には、入所して寝泊まりする形で利用することになりますが、デイサービスは日帰りでの利用が可能です。
デイサービスにはいくつかの種類があり、提供されるケアもそれぞれ異なるため、最適な施設を選んで利用しましょう。
この記事では、「デイサービスの施設ごとの特徴」や「サービス内容」について詳しくご説明します。
デイサービスとは通所型の介護施設のこと
デイサービスとは日中に運営されている通所型の介護施設で、利用者は「通所」という形でサービスやケアを受けられます。
食事や入浴、排泄の介助のほか、レクリエーションや健康チェック、機能訓練など、デイザービスで受けられるケアの内容は多彩です。
要介護状態になってもできるだけ自立した生活を送れるよう、身体機能の維持や向上に重点を置いたケアを提供しているのが、デイサービスの大きな特徴です。
普段自宅で過ごしており孤立しがちという方も、デイサービスに通えば人との交流の機会を増やせるでしょう。
また、デイサービスの利用には、ご家族の介護負担を和らげるという重要な意味合いもあります。
デイサービスは、65歳以上の方のうち、「要介護1~5」に認定されている方が対象です。
ただし、特定疾患を抱えているなどの事情がある場合には、40歳以上65歳未満であっても利用できることがあります。
デイサービスの種類や要介護度、利用時間などによってデイサービスの利用費用は変わってきます。
利用前にはサービス内容や費用の目安を細かくチェックしておくのがおすすめです。
4種類のデイサービスについて詳しく解説
現行の介護保険制度には、大きく分けて4種類のデイサービスがあります。
それぞれのデイサービスの特色についてチェックしていきましょう。
一般型デイサービス
オーソドックスなスタイルで運営されるデイサービスは一般型デイサービスと呼ばれます。
一般型デイサービスでは、送迎車での送り迎え、食事や入浴などのサービス、軽い運動や脳トレなどのレクリエーション、個別の機能訓練などが提供されます。
一般型デイサービスは、体力の低下や身体機能の衰えなどで自宅での生活に不安がある方におすすめです。
また、アットホームな雰囲気の中で人との交流を楽しみたい方も、一般型デイサービスを気軽に利用してみましょう。
一般型デイサービスの中でも、1日の利用者数を18名以下に絞ったものを小規模デイサービスまたは地域密着型通所介護と呼びます。
また、1日の利用者が19名以上の施設は通常規模デイサービス、1日あたり24名以上を受け入れる施設は大規模デイサービスと呼ばれます。
初めてデイサービスを利用するなら、人数の少ない小規模デイサービスがおすすめです。
認知症対応型デイサービス
認知症の症状を抱える方は、認知症対応型デイサービスを選んで利用してみましょう。
認知症対応型デイサービスのシステムは一般型デイサービスとそれほど変わりませんが、提供されるサービスやレクリエーションは認知症の症状がある方にあわせて設定されていることが多いです。
認知症対応型デイサービスには、単独運営の施設のほか、病院や老人ホームに併設されている施設もあります。
認知症対応型デイサービス施設に在籍しているスタッフは、認知症の症状や対応方法について詳しく把握しています。
「デイサービスを利用したいけれど認知症の症状で迷惑がかかるのでは」と不安を抱える方もいるかもしれません。
こういった場合でも、認知症対応型のデイサービスを選べば安心して利用できます。
また、ご家族による日中の見守りが必要なケースでも、デイサービスを適宜利用することで負担が和らぐでしょう。
リハビリ特化型デイサービス
リハビリ特化型デイサービスとは、身体機能の回復や維持を目的としたデイザービス施設です。
一般型デイサービスとは異なり、基本的にリハビリ特化型デイサービスには入浴や食事などのサポートはありません。
施設で提供されるのは筋力や身体機能を維持するための訓練プログラムに限られます。
年齢を重ねるにつれ、身体機能の低下や運動の機会の減少に悩まされる方は少なくありません。
リハビリ特化型デイサービスを利用すれば、プロの機能訓練指導員の見守りのもと、安全に機能訓練プログラムを受けられます。
リハビリ特化型デイサービスはまだまだ介護が必要ではない方を対象としたサービスです。
筋力や身体機能を維持して介護予防につなげるためにも、早い段階でリハビリ特化型デイサービスを活用してみましょう。
療養型デイサービス
療養型デイサービスは、医療的なケアや看護師によるケアが必要な方を対象とした施設で、地域密着型通所介護のサービスの一種となっています。
病気にかかり、看護師による観察やサポートが必要と診断されている方のほか、脳卒中などにかかって後遺症が残り重度要介護者に認定されている方、末期がんと診断されている方も、療養型デイサービスを利用可能です。
また、認知症の症状が進行している場合に療養型デイサービスでケアを受けるケースもあります。
療養型デイサービスでは、一般型デイサービスと同じように食事や入浴などの介護、生活機能訓練などを受けられます。
一般型デイサービスと比較して医療ケアの体制が手厚いのが、療養型デイザービスの大きな特色です。
デイサービスで受けられるサービスの内容
デイサービスでは以下のように、多岐にわたるサービスを受けられます。
日常生活の支援
デイサービスでは食事やおやつの提供、入浴の介助、排泄のサポートなど日常生活の手厚い支援を受けられます。
お一人での入浴や排泄が難しいなど、自宅での日々の生活に負担を感じることのある方でも、デイサービス施設でプロの介護スタッフのサポートを受ければより安心して毎日を過ごせます。
また、デイサービス施設によっては必要に応じて医療ケアや看護ケアを受けることも可能です。
レクリエーションやイベント
一般的な老人ホームと同じように、デイサービスでもレクリエーションやイベントが数多く提供されます。
体操や簡単な運動、脳トレやゲーム、カラオケなど、レクリエーションやイベントの内容はさまざまです。
デイサービスのレクリエーションやイベントに参加すれば、スタッフやほかの利用者とコミュニケーションを取りながら充実したひとときを過ごせるでしょう。
老人ホームとデイサービスの違いについては、こちらもぜひご覧ください。
「老人ホームとデイサービスの違いは?特徴やサービス内容を徹底比較」
⇒ ご参照ください。
機能訓練
機能訓練とは、生活するために必要な機能の維持や改善を目的としたプログラムです。
身体機能の低下に悩む方は、デイサービスで歩行訓練や関節可動域訓練などのケアを受けてみましょう。
また、マッサージや体操、軽い運動などを通して身体機能の改善を目指すケースもあります。
ほかに、嚥下機能が低下した方を対象とした嚥下訓練や口腔機能向上訓練、脳機能の低下が気になる方を対象とした脳トレなどの機能訓練も提供されます。
デイサービスや老人ホームをお探しなら、「あなたらしく」をぜひご活用ください。