老人ホームの入居一時金とは?意味や敷金との違いを詳しく解説

2024年3月26日

老人ホームの入居一時金とは?意味や敷金との違いを詳しく解説

老人ホームへの入居時には、入居一時金と呼ばれる初期費用を支払うケースが多いものです。

 

入居一時金はかなり大きな金額になることもあるため、まとまった初期費用を用意する必要があります。

 

この記事では、老人ホームの入居一時金とは「どのような費目なのか」について詳しく解説していきます。

 

 

老人ホームの入居一時金とは家賃の前払い費用のこと

老人ホームの入居一時金とは家賃の前払い費用のこと
 
有料老人ホームに入居するにあたって求められる費目の1つに入居一時金があります。

 

入居一時金とは一定期間分の家賃を前払いするようなシステムのことです。

 

老人ホームを運営する側には、利用者が入居後に安定的に家賃を支払ってもらえるのかという心配があります。

 

中には入居後の資金繰りがうまくいかなくなる方もいるため、その対策の一環として、家賃の先払いという形で入居一時金を請求するケースがあるのです。

 

入居一時金は入居者側にも大きなメリットをもたらします。

 

前払いの形で老人ホームの利用料を支払っておけば、入居後の利用料負担を抑えながら快適に生活することが可能です。

 

入居一時金は一定期間分の家賃の総額となるため、かなり大きな金額になることもあります。

 

有料老人ホームでは、想定居住年数分の家賃を入居一時金として提示するのが一般的です。

 

例えば想定居住年数を5年とした場合、5年分の月額利用料を前もって支払うことになります。

 

入居一時金の総額は有料老人ホームの家賃の額や想定居住年数によって変化しますが、数百万円から1億円以上に及ぶこともあるので注意が必要です。

 

入居一時金なしで入居できる老人ホームもありますが、前払いの費用がないぶん月額の利用料は高めとなります。

 

入居一時金と敷金にはどんな違いがある?

入居一時金と敷金にはどんな違いがある?
 
入居一時金はしばしば、賃貸物件に入居する際の敷金と混同されることがあります。

 

しかし、入居一時金と敷金には以下のように大きな違いがあります。

 

敷金とは

 
敷金とは、物件への入居にあたって担保として預ける費用のことです。

 

老人ホームだけでなく、一般的な賃貸物件を借りる際にも敷金を求められるケースはしばしば見られます。

 

敷金として請求される費用は、「家賃の数カ月分くらい」の金額となるのが一般的です。

 

あらかじめ支払った敷金は、家賃の滞納が起きた際に補填するための担保金として活用されます。

 

また、敷金には、退去時の原状回復クリーニング費用という意味合いもあります。

 

敷金は物件の退去時に返還されるケースもありますが、家賃の滞納に敷金を充当した場合には当然ながら返ってきません。

 

なお、室内の損傷が大きく、原状回復やクリーニングに大きな費用がかかる場合には、退去時の敷金返還額が減ってしまいます。

 

敷金はあくまで家賃の滞納や修繕のための担保金なので、敷金を払ったからといって月々の家賃支払いが減額されるようなことはありません。

 

入居一時金とは

 
入居一時金も物件への入居前に支払う費目ですが、その大きな目的は家賃の前払いです。

 

支払う入居一時金の総額は、初期償却分と想定入居期間の前払い費用をトータルした金額となります。

 

入居一時金の金額は家賃の数年分にあたるため、敷金と比べてその総額は大きくなるのが一般的です。

 

支払った入居一時金は、入居後の一定期間内で償却されます。

 

償却の期間は老人ホームによって異なりますが、5~7年ほどかけて償却されるケースがほとんどです。

 

まず入居時に、入居一時金の一部が初期償却され、その後は月単位または年単位で均等の金額が償却されていきます。

 

償却期間中に老人ホームを退去する場合には、未償却分が残高として返金されることになります。

 

ただし、老人ホームによっては入居一時金の全額を初期償却してしまうため、こういった場合には入居一時金の返還を受けることができません。

 

また、想定居住年数を超えて入居し続けた場合には、入居一時金が全額償却されるため、返還額は0円となります。

 

なお、老人ホームへの入居後にはクーリングオフという形で契約を解除することが可能です。

 

クーリングオフ期間は3カ月または90日間となっており、この期間に何らかの理由で契約を解除した場合には入居一時金が全額返還されます。

 

老人ホームの入居一時金以外にかかる費用

老人ホームの入居一時金以外にかかる費用
 
老人ホームに入居する際に請求される費用は入居一時金だけではありません。

 

ここからは、「老人ホームに支払う初期費用の内訳」について確認していきましょう。

 

居住費

 
居住費はいわゆる家賃に該当する費目です。

 

利用者が負担する居住費の金額は、入居する居室の広さや機能性によって変わってきます。

 

かなり広い個室を使える場合や、居室にトイレやキッチンがついている場合には、居住費がやや高めとなることがほとんどです。

 

一方で、複数人で使う多床室を選んだときや設備が限定された居室を選んだときには、居住費が低くなります。

 

食費

 
老人ホームへの入居後には、毎日の食事にかかる費用も必要となります。

 

食費には食材費に加え、厨房維持管理費用も含まれるのが一般的です。

 

なお、施設の運営会社が食事を外部委託している場合には、委託費用も食費として請求されることになります。

 

外泊などで食事が必要ない場合には、あらかじめ申し出ることでその日数分の食費の請求を止められます。

 

施設介護サービス費

 
老人ホームで介護サービスを受けるにあたっては施設介護サービス費と呼ばれる費用の支払いが必要です。

 

ただし、施設介護サービス費は介護保険が適用されるため、入居者の負担額は「1~3割」ほどとなります。

 

サービス加算

 
サービス加算
 
より手厚い介護サービスを受けられる老人ホームを選んだ場合には、サービス加算と呼ばれる費用の支払いを求められます。

 

サービス加算の対象となる介護サービスの内容は法令で定められています。

 

施設のサービス内容によってサービス加算の費用は異なるため、入居時に費用相場を確認しておきましょう。

 

上乗せ介護費

 
介護付有料老人ホームなどでは、介護職員を多く配置した際に上乗せ介護費の負担が必要となることがあります。

 

介護保険法では、入居者3名に対して1名の介護職員または看護職員を配置しなければなりません。

 

この人員配置を超えて介護職員が配置されたときには、入居者に対して上乗せ介護費が請求されます。

 

日常生活費

 
日常生活費とは石鹸歯ブラシティッシュペーパーなど日常的に使う物品に対してかかる費用で、「日用品費」とも呼ばれます。

 

なお、おむつは介護給付に含まれるため介護保険施設での自己負担はありません。

 

管理費

 
老人ホームの運営にあたって必要となる諸経費は管理費として請求されます。

 

管理費には光熱費設備費レクリエーション用品の購入費などが含まれるのが一般的です。

 

医療費

 
医師が常駐する老人ホームを選んだときには、医療費が必要となります。

 

とはいえ、老人ホームは病院とは異なるため、医師が常駐している施設はほとんどありません。

 

医師のいない老人ホームを選んだ場合には、医療機関の受診時に別途医療費が必要となります。

 

老人ホームに入居する際には、医療機関の受診費や薬代についても把握しておくのが安心です。

 

老人ホーム選びにお悩みなら、便利な「あなたらしく」をぜひご活用ください。

 

>>「あなたらしく」を利用して希望の施設を探す