外国籍を持ちながら日本で暮らしている方や、いずれは日本で暮らそうと考えている外国の方もいると思います。
こういった方にとって、日本での老後の生活は心配なことの一つかもしれません。
「外国人だから日本の老人ホームには入れないのでは?」と悩む方もいるかもしれません。
ここでは、外国人でも老人ホームに入所できるのかを詳しく解説していきます。
外国人でも老人ホームに入所できる?
外国人であっても、ほとんどの場合は問題なく老人ホームに入所できます。
外国人だからといって老人ホームへの入居を断られることはありません。
外国人が3カ月を超えて日本で暮らすときには、介護保険制度の被保険者として扱われます。[注1]
>>[注1]厚生労働省「介護保険法等の施行に伴う厚生労働省令の整備等に関する省令の施行に伴う事務取扱について」
日本人と同じように介護保険料を納めている外国人は、介護保険制度を利用することが可能です。
老人ホームは介護保険制度で運用される介護サービスの一環なので、介護保険を納めていれば国籍にかかわらず老人ホームを利用できます。
かつては外国籍の方が介護保険の被保険者となるためには入国から1年という期間が必要でした。
しかし、2012年の住民基本台帳法改正により、在留期間の条件は3カ月に短縮されています。[注2]
近年では日本で生活する外国人の数が増加傾向にあります。
将来的に介護が必要となる外国人が増えることが予測されるため、介護に関する法律の整備が進められているのです。
ただし、介護保険料を支払っていない方が老人ホームに入ることは原則としてできません。
また、在留資格の種類によっては老人ホーム入居の対象外となる可能性もあります。
今後老人ホームを利用できるのか悩んだときは、自治体の窓口などで詳しく相談してみましょう。
外国人が老人ホームに入所するまでの流れ
外国人であっても、老人ホームに入居する時の流れは日本人とそれほど変わりません。
ここからは、老人ホーム入居の流れについて詳しく説明していきます。
要介護認定を受ける
多くの老人ホームは要介護認定を受けている方を対象としています。
体調の変化などに悩んだときは、まずは要介護認定の申請を行いましょう。
要介護認定の申請は市区町村の窓口で行えます。
ただし、介護保険料を納めていない場合には要介護認定を受けることができないので注意が必要です。
要介護認定を受ければ、個別のケアプラン作成が可能となります。
老人ホームを探す
続いて、入所したい老人ホームのリサーチを始めましょう。
インターネットの検索サイトを活用すれば、老人ホームを効率よく探せます。
また、周囲の方の口コミやケアマネージャーからの紹介といった形で老人ホーム探しをする方もいます。
気になる施設には問い合わせをし、詳しい資料をもらうのがおすすめです。
資料請求でもらえるパンフレットを確認すれば、施設の概要や職員の配置体制、設備や料金に関することなど多くの情報を得られます。
老人ホームを見学する
気になる施設にはぜひ見学に行ってみましょう。
突然足を運ぶと見学を断られてしまうことがあるので、事前に見学申し込みの予約を取っておくことが大切です。
老人ホームを見学すれば、雰囲気や入居者の生活ぶりを肌で感じられます。
また、気になることをあれこれと質問して理解を深められるのも見学のメリットです。
老人ホームの見学時には、「外国人入居者の有無」や「外国人が入居したときの対応方法」についてもぜひ尋ねてみましょう。
老人ホームの契約をする
入居したい老人ホームが決まったら、さっそく入居手続きを行いましょう。
自治体によっては、外国人が老人ホームに入居するにあたって個別の対応をしてくれることもあります。
事前に問い合わせをしておけば、個別対応の有無や手続きの詳しい流れを教えてもらえます。
入居に関する書類を取り交わして契約をすれば、時期を見て老人ホームに引っ越すことが可能となります。
外国人が老人ホームに入所するときの注意点
老人ホームで暮らしている中で、ときに不都合や問題に直面することもあるかもしれません。
ここからは、老人ホーム入居にあたってのポイントや注意点を見ていきましょう。
自分に合った老人ホームを選ぶ
老人ホーム選びでミスマッチが起きると、入居後の生活を楽しめなくなってしまいます。
安心して老後の生活を送るためにも、老人ホームごとの特徴や違いを詳しくリサーチしておきましょう。
例えば、手厚い介護が受けたい方には介護付き老人ホームが向いています。
他の入居者とのコミュニケーションやサークル活動、イベントなどに参加したいのなら住居型有料老人ホームがおすすめです。
自立した生活を送りながらも適度なサポートを受けたいときにはサービス付き高齢者向け住宅を選ぶのも良いかもしれません。
コミュニケーションを上手にとる
多くの老人ホームには日本人スタッフのみが在籍しているため、日本語が苦手な方はうまく言葉が通じず困る可能性があります。
老人ホームでうまくコミュニケーションが取れない状態が続くと、ストレスや不安が溜まってしまいます。
また、言葉が通じない状態をそのままにしておくと、緊急時などに周囲を頼れず大変な思いをするかもしれません。
安全かつ快適に生活するためにも、日本語のスキルを身につけたり翻訳アプリを活用したりと工夫しましょう。
また、体調やサービス内容をイラスト化したカードを用意し、カードを使ってコミュニケーションを取る方法もあります。
最近では外国人の老人ホーム入居者が増えていることから、外国語を話せる介護スタッフや通訳スタッフが在籍する老人ホームも増加しています。
コミュニケーションに不安がある場合には、外国語を話せるスタッフがいる施設を選んでみましょう。
文化や生活習慣の違いを把握しておく
老人ホームは共同生活の場なので、ときには文化の違いや生活習慣の違いを感じることもあるかもしれません。
特に、食文化の違いは生活に大きな影響をもたらします。
老人ホームで暮らすにあたっては、日本の文化をどの程度受け入れるかを考えることが重要です。
ときには、日本ならではの価値観を尊重すべき場面もあるかもしれません。
しかし、異文化に無理に合わせようとするとかえってストレスが溜まってしまうこともあります。
ストレスによって体調を崩す可能性もあるので、あまり無理しすぎないことも大切です。
【まとめ】外国人だからという理由で老人ホームの入居を断られることはほとんどない!
外国人であっても、介護保険制度の被保険者であれば日本人と同じように老人ホームに入ることができます。
ただし、日本に来て間もない方や介護保険料を支払っていない方は老人ホームへの入居を断られる可能性があるので注意しましょう。
日本の老人ホームを利用する際に、生活習慣の違いやコミュニケーションに悩むこともあるかもしれません。
外国人受入実績のある施設を選ぶなどの工夫をし、少しでも快適な生活を送れるようにしましょう。
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