老人ホームへの入居で気になることの1つに利用者の年齢層があります。
高齢者の世代は60から90代と幅広いため、どれくらいの年齢の方が入居しているのかを把握しておきましょう。
今回は老人ホーム入居者の年齢層や、入居を考えるタイミングについて解説していきます。
老人ホームの入居者の年齢層
厚生労働省による「高齢者向け住まい及び住まい事業者の運営実態に関する調査」によると、老人ホーム入居者の多くは80代以上となっています。
例えば特定施設と呼ばれる老人ホームでは、80代以上の入居者は全体の約87%にものぼります。
住居型有料老人ホームでは全体の約75%が80代以上、サービス付き有料老人ホームでも全体の約79%が80代以上です。
入居者の平均年齢も、多くの老人ホームで80代を超えています。
また、昨今の傾向として、90歳以上の入居者が増加しつつあることも分かっています。[注1]
>>[注1]厚生労働省「高齢者向け住まい及び住まい事業者の運営実態に関する調査」P49.
老人ホームに入居しているのは80代以上の方ばかりというわけではなく、60代や70代の方も入居しています。
しかし、まだまだ心身が元気な60代や70代の方は、自宅での生活を選ぶことが多いようです。
老人ホームへは何歳から入所できる?
老人ホームの種類ごとに、入居できる年齢のルールは異なります。
例えば介護付き有料老人ホームやグループホーム、介護老人保健施設や特別養護老人ホームは入居条件を65歳からと定めています。
住居型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅であれば、60歳から入居できるのが一般的です。
ただし、年齢の条件に達しているからといって必ず老人ホームに入れるわけではありません。
例えば介護付き有料老人ホームの利用は、要支援1、2または要介護1、2、3、4、5のいずれかに該当している必要があります。
老人ホームを探すときには、年齢と要介護度のルールをよく確認しておきましょう。
なお、介護が必要と判断されたときには65歳や60歳未満であっても老人ホームに入居できるケースがあります。
介護保険法では、40歳以上65歳未満の介護保険被保険者が特定疾病を抱えている場合、要介護支援を受けられると定めています。
この条件に合えば、特例として40代や50代のうちから老人ホームを利用できるのです。
老人ホーム探しを始めるのなら早いうちがおすすめ
老人ホームに入居している方の平均年齢は80代を超えています。
しかし、80代になってから老人ホーム入居の検討を始めると、心身機能の低下により入居準備が大変だったり、家族に負担をかけたりしてしまうかもしれません。
日本の平均寿命は年々伸びており、80代や90代、100歳以上という年齢まで長生きする方がたくさんいます。
一方で、健康寿命の平均は男性72.68歳、女性75.38歳となっています。[注2]
健康寿命の定義は、健康上の問題で日常生活に支障が生じることなく健やかに生活できる期間です。
70代を過ぎると、歩行機能の悪化や健康面の不調など、体に不自由が生じやすくなってしまいます。
心身機能の低下の症状が進むと、認知症の症状が起きやすくなったり寝たきりの状態になったりすることもあります。
ご本人やご家族の負担を和らげるためにも、健康なうちから老人ホーム探しを始めるのがおすすめです。
老人ホームへの入所を考えるタイミング
老人ホームへの入居を考えるタイミングやきっかけはそれぞれ異なると思います。
ここからは、「老人ホームの入居を考えるタイミング」について紹介します。
身体状態の悪化がみられたとき
元気なうちは自宅で生活し、心身状態の悪化をきっかけに老人ホームに移るという方は多いです。
自宅がバリアフリー化されていない場合、体が衰えてから同じように生活するのは困難です。
また、怪我や病気で入院した後に自宅に戻っての生活に不安を覚え、老人ホームを選ぶ方もいます。
火の不始末や薬の飲み違い、物忘れや外出先での迷子などの問題が起きたときのためにも老人ホームへの入居を前向きに検討するのが良さそうです。
身体状態や認知機能に低下が見られる場合には、丁寧なケアを受けられる老人ホームでの生活に移行しましょう。
家族での介護が難しくなったとき
身体機能や認知機能に多少の衰えがある方でも、自宅で自立した生活を送ることは十分可能です。
配偶者や子どもなどの家族が高齢者を自宅で介護するケースは少なくありません。
体調の悪化や認知機能の低下などにより自宅での介護が難しくなったときには、無理をせず老人ホームへの入居を計画するのがおすすめです。
また、介護する家族が体調を崩したことをきっかけに、老人ホーム探しを始める方もいます。
自宅で家族を介護しながら近隣の老人ホームを探しておくなど今後のことを十分に検討しておけば、いざというときにスムーズに行動できます。
夫婦のどちらかが先に亡くなったとき
夫を亡くした、または妻を亡くしたことをきっかけに急激に体調を悪くしてしまう方もいます。
支え合いながら生きてきた夫婦にとって、相手の他界は大きなダメージとなってしまいます。
配偶者を亡くした後に高齢の方が自宅で一人暮らしをするのはかなり大変です。
急な体調不良や生活上のトラブルが起きる可能性があるなど、老後の独居には大きな不安があります。
不安を和らげるためにも、生活のケアやサポートを受けられる老人ホームを探してみましょう。
老人ホームでは他の入居者との交流の機会が多いため、配偶者を亡くした寂しさも和らぐかもしれません。
かなり早い段階で入居を考える方もいる
自立した生活を送れる方の多くは、今すぐに老人ホームを探さなくてもいいと考えがちです。
しかし、介護が必要となった時点で老人ホームを探し始めた場合、無事に入居するまでにかなりの時間がかかってしまうことがあります。
体調の悪化によって老人ホーム探しがなかなか進まなくなったり、近隣の老人ホームが入居待ちの状態になっていたりする可能性もないわけではありません。
結果的に、少ない選択肢から焦って老人ホームを決め、入居後に不一致に悩まされるなどの問題が起こりやすくなります。
心身への負担や生活の負担を和らげるためにも、元気なうちから老人ホーム入居について考えておくことが大切です。
【まとめ】老人ホームを探すなら体力や判断力がある元気なうちに!
現在、老人ホームを利用している高齢者の年齢層は多くが80代以上となっています。
しかし、ほとんどの老人ホームは60代からの入居に対応しています。
心身の不調や認知機能の低下が起きてから老人ホーム探しを始めた場合、理想の施設に巡り会えないかもしれません。
日々の生活を安心して送るためにも、体力や判断力がある元気なうちに老人ホームについて考えておきましょう。
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