介護老人福祉施設とは?特徴や入所にかかる費用を解説

2023年10月27日

介護老人福祉施設とは?特徴や入所にかかる費用を解説

介護施設や老人ホームにはさまざまな種類があり、それぞれの施設で入居条件や設備、費用面などが大きく異なります。

 

その中でも、介護老人福祉施設とは、常に介護を必要とする高齢者のための老人ホームです。

 

この記事では、多くの方に選ばれている「介護老人福祉施設について詳しく解説」していきます。

 

介護老人福祉施設の特徴や入居の条件、入居にかかる費用などについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

介護老人福祉施設とは?

介護老人福祉施設とは?
 
介護老人福祉施設とは、常に介護を必要とする高齢者を対象とした老人ホームです。

 

介護老人福祉施設は介護保険法に基づく呼び名になります。

 

老人福祉法では介護老人福祉施設のことを特別養護老人ホームと呼んでいます。

 

介護老人福祉施設は基本的に、要介護認定を受けた方のみが入居できます。

 

対象となる方の条件は以下のとおりです。

 

  • 65歳以上かつ要介護3以上の方
  • 40~64歳で特定疾患を持つ、要介護3以上の方
  • 要介護1~2の方のうち、特例により入居が認められた方

 

この条件のうち、どれか1つを満たしていれば介護老人福祉施設に入居できる可能性は高いです。

 

ただし、条件を満たす全ての方が介護老人福祉施設に入所できるわけではありません。

 

入居の条件は、他の老人ホームと比較しても厳しい傾向にあります。

 

例えば、「要介護が1~2の方」は、同居家族がいる場合には入所を断られてしまいます。

 

また、認知症の症状がかなり進んでおり、他者に対して危害を加えるおそれがあるケースでも、入居を断られる可能性があります。

 

介護老人福祉施設は費用が比較的安く、公的施設という安心感もあるため、人気です。

 

入居を希望している方が多く、既に定員に達している施設も少なくありません。

 

多くのエリアでは、申し込みから実際の入居までにかなり時間がかかってしまうという点に注意が必要です。

 

介護老人福祉施設の特徴

介護老人福祉施設の特徴
 
介護老人福祉施設では、介護の方針やスタッフの人数、部屋のスタイルなどが細かく定められています。

 

ここからは、介護老人福祉施設ならではの「特徴」について紹介していきます。

 

公的な機関によって運営されている

 
公的な機関によって運営されている
 
介護老人福祉施設を運営しているのは、地方公共団体などの公的な団体です。

 

社会福祉事業を目的とした社会福祉法人など、厚生労働省の許可を得た団体によって運営されるケースもあります。

 

公的な施設となっているため、施設の運営方針や設置の基準などは全て厚生労働省により細かく定められています

 

また、どのような人員がどれだけ配置されるかという基準も設けられているのも特徴です。

 

適切な介護やケアが受けられる

 
適切な介護やケアが受けられる
 
介護老人福祉施設では着替え入浴排泄などさまざまな介護を受けられます。

 

入浴はおよそ週2回受けられるようになっており、歩行が難しい方や寝たきりの方でも入浴が可能です。

 

栄養士が考案した食事が提供されるのも介護老人福祉施設の魅力の1つです。

 

栄養バランスのよい食事が用意され、場合によってはペースト状にするなど、健康状態に合わせて工夫して食べてもらえるようにしています。

 

また、レクリエーションや機能訓練の時間が設けられるのも、介護老人福祉施設の特徴です。

 

医師や看護師による健康管理も随時行われるため、入居者は適切な医療サービスのもとで生活できます。

 

部屋のスタイルが決まっている

 
部屋のスタイルが決まっている
 
介護老人福祉施設では居室のスタイルが細かく決められています。

 

多床室と呼ばれる相部屋であっても、個室であっても、1人当たりが使える床面積は10.65平方メートル以上確保されていなければなりません。[注1]

 

なお、居室のタイプには多床室と従来型個室の他、ユニット型個室やユニット型準個室といった種類もあります。

 

ユニット型とは、介護老人福祉施設の入居者を「10人前後」のユニットに分けるスタイルです。

 

ユニット型の介護老人福祉施設では、ユニットごとにリビングルームや食堂などを共有しますが、居室はユニット型個室または準個室で区切られています。

 

[注1]厚生労働省「社会福祉住居施設の設備基準」P7

 

設備の基準が決まっている

 
設備の基準が決まっている
 
介護老人福祉施設には設置しなければならない設備がいくつかあります。

 

居室や食堂、洗面設備、浴室、医務室などが代表的な例です。

 

それぞれの設備には、高齢者が使いやすいよう厳格な基準が設けられます。

 

また、浴室には介護ができる設備を、トイレにはスタッフの呼び出しができる設備を設置しなければなりません。

 

スタッフの配置基準が決まっている

 
スタッフの配置基準が決まっている
 
介護老人福祉施設ではスタッフの配置人数の基準が厳格に定められています。

 

例えば、入居者3人に対して、介護職員または看護師は1人以上在籍していなければなりません

 

入居者の人数に応じて必要な看護師の人数は変わってきます。

 

入居者が30人以下の施設なら看護師は、常勤で1人以上いれば問題ありませんが、入居者が130人以上なら看護師は4人以上必要です。

 

また、介護老人福祉施設には機能訓練指導員や介護支援専門員、栄養士なども配置されています。

 

サービスが24時間提供される

 
サービスが24時間提供される
 
介護老人福祉施設のサービスは、基本的に「24時間365日」にわたって提供されます。

 

夜間にも介護職員が常駐しているので、夜中や早朝にサービスを受けられない心配はありません。

 

介護老人福祉施設の費用

介護老人福祉施設の費用
 
介護老人福祉施設は、他の老人ホームと比較して、費用はかなり安く抑えられています

 

これは、介護老人福祉施設の運営にあたって、介護保険の財源による補助を受けられるためです。

 

また、介護老人福祉施設の入居では、要介護度によって利用料金が変動します。

 

例えば、多床室タイプ(複数人で同室する入居方式)の介護老人福祉施設を、要介護度3の方が利用する場合、1カ月の利用料は「21,360円」となります。

 

要介護度が上がると利用料もアップし、要介護度5の方では、利用料が1カ月あたり「25,410円」となります。

 

税制の優遇措置があるのも介護老人福祉施設の大きな特徴です。

 

また、介護老人福祉施設には、基本料に加えて介護サービス加算などの費用も必要です。

 

介護サービス加算とは、施設の処置やサービスに応じてかかる費用で、人員が多い施設や手厚いサービスを実施している施設ほど費用が高くなります。

 

他に居住費や食費、日常生活費といった費用も必要となります。

 

居住費とは、いわゆる家賃のことで、地域によって価格はさまざまです。

 

これらの金額をトータルすると、月ごとにかかる費用は「15万円程度」となります。

 

低所得の方は、介護老人福祉施設の食費や居住費の助成を受けられることがあります。

 

老人ホームを探すにあたって費用面が気になる方は、減免や助成の制度を詳しくチェックしてみましょう。

 

施設ごとの費用の違いはこちらの記事で詳しく紹介しています。
⇒  ご参照ください。

 

【まとめ】介護老人福祉施設をはじめとした老人ホームを比較検討してみよう

 
介護老人福祉施設は特別養護老人ホームとも呼ばれる施設です。

 

公的施設なので費用面が比較的リーズナブルで設備の基準も定められているのが魅力です。

 

ただし、介護老人福祉施設の入居には一定の条件があります。

 

これから老人ホームを探すのなら、「あなたらしく」のご利用がおすすめです。

 

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