介護老人保健施設の特徴・費用・入居条件をまとめて解説

2023年10月20日

介護老人保健施設の特徴・費用・入居条件をまとめて解説

家族が要介護者となったときには、介護老人保健施設を利用できることがあります。

 

介護老人保健施設は老健とも呼ばれる施設で、要介護者の自宅復帰を目的とした介護を実施しています。

 

入居には条件が定められているので、利用を検討しているのならまずは対象となるかどうかを確認してみましょう。

 

この記事では介護老人保健施設とはどのようなものか、その特徴や入居条件について詳しく紹介します。

 

 

介護老人保健施設の特徴

介護老人保健施設の特徴
 
介護老人保健施設は要介護の高齢者が自宅復帰を目指すことを目的として入居する施設です。

 

まず、介護老人保健施設の特徴について確認していきましょう。

 

在宅復帰のためのケアを受けられる

 
在宅復帰のためのケアを受けられる
 
介護老人保健施設は、これまで病院に入院していた方が退院し、在宅生活に戻るまでの期間に利用する施設です。

 

病院への入院は必要ないものの自宅での生活には不安が残るという方に対して、リハビリや医療、介護のサービスを提供するのが介護老人保健施設の役割です。

 

介護老人保健施設には在宅復帰を支援するという明確な目的があります。

 

もちろんリハビリの進み方には個人差がありますが、基本的には症状が回復したタイミングで自宅に戻ることになります。

 

なお、介護老人保健施設での生活の中でうまくリハビリが進まず入院治療になった場合は、再び病院に入院しなくてはいけないかもしれません。

 

入居の期間は比較的短め

 
入居の期間は比較的短め
 
多くの介護老人保健施設は入所型のスタイルとなっています。

 

入所期間は「3カ月から半年くらい」が目安で、長期的に入居し続けることはできません。

 

施設によっては空きがなく順番待ちが発生する場合がありますが、入居者が一定期間で退所するため、待機時間は比較的短めです。

 

自宅で介護や看護を一時的に受けられなくなったときは、ショートステイ型の介護老人保健施設を利用することも可能です。

 

また、近隣の方は通所リハビリテーションという形で老健に通ってサービスを受けられることもあります。

 

医師や看護師が豊富に在籍している

 
医師や看護師が豊富に在籍している
 
医師や看護職員、介護職員が一定数在籍しているのも介護老人保健施設の特徴です。

 

基本的に、介護老人保健施設には「入居者100人に対して医師が1人在籍」している必要があります。

 

特別養護老人ホームの場合は医師が非常勤でも問題ありませんが、介護老人保健施設の医師は常勤でなければなりません。

 

医師は入居者の医学的な管理とともに、施設の管理も実施することがあります。

 

看護師と介護士は「入居者3人に対して1人以上在籍」しており、在籍総数のうち7分の2程度は看護職員でなければなりません。

 

専門家が多数在籍しており医療体制が充実している介護老人保健施設を選べば、安心して入居生活を送れるかもしれません。[注1]

 

[注1] 厚生労働省「介護老人保健施設」P6

 

リハビリのサポートを受けられる

 
リハビリのサポートを受けられる
 
介護老人保健施設には医師や看護師に加え、理学療法士作業療法士言語聴覚士栄養士なども在籍しています。

 

こういった専門家の在籍人数が細かく定められているのも、介護老人保健施設の特徴です。

 

介護老人保健施設ではさまざまな専門家が連携しながら、入居者の自宅復帰に向けたリハビリや健康管理をサポートしています。

 

専門スタッフは個々の入居者の状態に合わせ、適切なリハビリサービスを提案してくれます。

 

介護老人保健施設の費用

介護老人保健施設の費用
 
介護サービスを受けるのに当たって費用面は気になるポイントの一つかもしれません。

 

介護老人保健施設は「他の老人ホームと比較して費用が高めに設定」されています。

 

これは、介護老人保健施設にリハビリ環境が整備されており、医療を担当する人材も豊富に在籍しているためです。

 

特別養護老人ホームなどの施設に比べて幅広いサポートが受けられる分、利用時の価格が高くなってしまします。

 

施設によって価格設定は異なりますが、介護老人保健施設の利用費用は「月額で30万円程」です。[注2]

 

この費用には居住費や介護サービス費に加え、食費や洗濯代、娯楽費などが全て含まれています。

 

1つの部屋を1人で使用する個室タイプの介護老人保健施設は費用が高い傾向にあります。

 

費用を抑えたい場合には、大部屋を複数人で利用する多床室がある介護老人保健施設を選ぶのがよいかもしれません。

 

スタッフの数が多く設備が充実している介護老人保健施設も費用は高めとなります。

 

介護老人保健施設は医療機関ではありませんが、看護師や理学療法士、作業療法士などのサービスに対し料金が加算されます。

 

まとまった費用がかかる分、リハビリをはじめとしたサービスを十分に受けられるのが介護老人保健施設の魅力です。

 

[注2] 厚生労働省「介護老人保健施設」P19

 

介護老人保健施設入居の費用負担が軽減されるケース

介護老人保健施設入居の費用負担が軽減されるケース
 
介護老人保健施設を利用する際には介護保険が適用となります。

 

そのため、基本的には自己負担額を「1割から3割に抑える」ことが可能です。

 

また、介護老人保健施設の費用は医療費控除の対象となっています。

 

申告をすれば納めた税金を取り戻せる場合もあるので、よく確認しておきましょう。

 

介護老人保健施設の利用時に高額介護サービス費制度を利用することで、介護サービス費の自己負担額の一部が返還されるケースもあります。

 

介護老人保健施設は費用が高めに設定されていますが、低所得の方が利用できないわけではありません。

 

低所得者の利用を妨げないため、国は特定入居者介護サービス費を設定して世帯所得に応じた居住費と食費の減額を実施しています。

 

また中には、生活保護を受給している方の入居に対応している施設もあるので、まずは施設側に問い合わせてみましょう。

 

介護老人保健施設の入居条件

介護老人保健施設の入居条件
 
介護老人保健施設は、介護が必要な方なら誰もが入居できるわけではありません。

 

その利用には細かく条件が定められているので、利用を検討するときには条件を確認しましょう。

 

介護老人保健施設は原則として介護保険法による被保険者である「65歳以上」の高齢者が対象となります。

 

中でも、要介護認定における要介護の認定を受けている方のみが、介護老人保健施設を利用できます。

 

ただし、特定疾病で要介護認定を受けている方であれば、「40~64歳」であっても入居が可能です。

 

この特定疾病には若年性認知症なども含まれています。

 

たとえこれらの条件を満たしていても、介護老人保健施設ごとに定められた入居条件に合致しない場合には入居を断られることがあります。

 

例えば、伝染病などの疾患を持っている場合や病気で長期入院が必要となる場合などには入居できないこともあります。

 

介護老人保健施設を利用するときには、その施設の入居条件を細かく確認しておきましょう。

 

【まとめ】介護老人保健施設とは自宅復帰を目指すためのリハビリ施設のこと!

 

介護老人保健施設は、在宅復帰を目的として個別のリハビリを提供するシステムになっています。

 

入院の必要はないものの自宅での生活には不安があるというときには、介護老人保健施設を利用するのがおすすめです。

 

介護老人保健施設の規模や提供サービスは個々に異なっているので、自身に合った施設を見つけることが肝心です。

 

介護老人保健施設の利用を検討しているという方は、まずは「あなたらしく」を使って近隣の施設を探してみましょう。

 

>>「あなたらしく」を利用して希望の施設を探す