老人ホームの転居は可能?手続きの流れや費用・注意点を解説

2024年4月9日

老人ホームの転居は可能?手続きの流れや費用・注意点を解説

老人ホームの転居をしたいけど、施設にどう伝えたらいいのか、手続きが難しそうで踏み出せない、そんな悩みを抱えていませんか?

 

老人ホームは「ずっとここに居なければならない」というルールはなく、転居可能です。

 

ただし、転居には費用・手続き・タイミングなど押さえるべきポイントがたくさんあります。

 

本記事では、老人ホームの転居手順や損をしないための費用・契約の注意点、そして次の施設選びで失敗しないコツを紹介します。

 

 

 

老人ホームの転居は可能?

老人ホームの転居は可能?
 
一度入居した老人ホームを退去し、別の老人ホームに入居することは多くの場合、認められています

 

実際に、体調の変化や施設への不満などを理由に、別の施設へ移られる方は多くいます。

 

とはいえ、「本当に転居してよいのか?」「手続きが大変そう」「家族に迷惑をかけたくない」と踏み切れない方も多くいます。

 

転居を検討すること自体はわがままではありません。

 

ただし、思い付きで行動するのではなく、正しい手順と知識を持って準備を進めることが重要です。

 

【チェックリスト】今すぐ転居を検討すべきサイン

【チェックリスト】今すぐ転居を検討すべきサイン
 
まずは、本人またはご家族が今どの状態かを確認してください。

 

  • 要介護度が変わり必要なケアが受けられない
  • 医療対応(点滴・胃ろう・インスリン注射など)が不足している
  • 費用が長期的に支払えない
  • 人間関係・スタッフ対応に強いストレスがある
  • 家族の生活環境が変わりサポートが難しくなった

 

老人ホームの転居を検討するタイミングとよくある理由

老人ホームの転居を検討するタイミングとよくある理由
 
老人ホームの転居を考える方の事情はさまざまです。

 

まずは、「別の老人ホームに転居する背景」や「そのタイミング」について考えていきましょう。

 

要介護度や身体状況がが変化したとき

 

老人ホームにはそれぞれ「受け入れ可能な要介護度」の基準があります。

 

要介護度が上がった(あるいは下がった)ことで、現在の施設の基準を外れてしまい、退去を求められるケースがあります。

 

実際に、住宅型有料老人ホームに入居されていた方が、脳梗塞後の後遺症で要介護3から5に変化し、手厚い介護体制が必要になったため、介護付有料老人ホームへ転居した例も。

 

この例では、転居後は医療連携体制が整った施設で、適切なケアが受けられるようになりました。

 

金銭面の事情が生じたとき

 

「要介護度が上がり、介護サービス費用の自己負担が増えた」「物価高騰で施設の月額費用が値上げされた」など、長期的な老人ホームの費用と資金計画にズレが生じた場合です。

 

老人ホームの費用が払えないといった事態に陥る前に、費用が抑えられる施設への転居を検討してみてください。

 

人間関係や施設への不満があるとき

 

事前に老人ホームの見学をしていても、実際に生活して初めて気が付くことは多いものです。

 

  • 他の入居者と相性が悪い
  • スタッフの対応やケアの質に不満がある
  • 食事の内容や生活リズムが合わない
  • レクリエーションや行事がほとんどない

 

1つのトラブルがすぐに転居のサインとは限りません。

 

しかし相談しても改善されない、精神的なストレスが日常的に続いている場合は、転居を真剣に考える時期かもしれません。

 

家族に事情があるとき

 

老人ホームに入居しているご本人の事情ではなく、ご家族の事情で転居を選ぶ方もいます。

 

たとえばご家族が仕事の都合などで遠方に転居する場合には、入居者に必要な対応ができなくなる可能性があります。

 

また、ご家族が病気で入院するなど状況が大きく変わったときも、入居者への対応が難しくなるでしょう。

 

ご家族による面会やサポートが難しくなったときは、転居をはじめとしたより良い選択肢を模索する必要があります。

 

老人ホームを転居する際の具体的な流れ

老人ホームを転居する際の具体的な流れ
 
ここからは、実際に老人ホームを転居する際の具体的な5つのステップを解説します。

 

ステップ1:ケアマネジャーや家族への相談・条件の整理

 

まずは、担当のケアマネジャーやご家族になぜ転居したいのかを相談しましょう。

 

今の施設で改善できる問題で解決できる場合もあります。

 

  • 【転居しなくても解決できるケース】
  • 居室の変更(騒音・人間関係対策)
  • ケアプランの見直し
  • 食事・生活リズムの調整
  • スタッフとの面談・相談
  • 医療機関の連携強化

 

どうしても転居が必要な場合は、現在の施設で不足している条件を洗い出し、次の施設に求める条件の優先順位を決めます。

 

ステップ2:転居先を探す

 

転居理由と希望条件が整理出来たら、新しい施設を探します。

 

条件は以下の項目で決めることをおすすめします。

 

  • 必要な介護・医療対応のレベル
  • 月額費用の上限
  • 場所・アクセス
  • 施設の種類

 

必ず複数の施設をピックアップし、可能なら見学へ足を運びましょう。

 

ステップ3:退去手続きを進める

 

転居先が決まったら、現在の施設に退去の意思を書面で伝えます。

 

多くの施設では退去の1~2ヶ月前に申し出ることが契約書に定められています。

 

「転居理由を正直に言うと角が立つ」と心配な場合は、「ご家族の引っ越しに合わせて」や「金銭的な事情で」など、施設側を否定しない理由を伝えると円滑に進みます。

 

参考:公益社団法人全国有料老人ホーム協会「【契約・解約】解約の申し入れについて|入居あれこれ

 

ステップ4:住所変更などの行政手続きを行う

 

老人ホームへの入居時に住民票を移していた場合は、転居先の施設への住所変更手続きが必要です。

 

また、住所地特例制度を利用している方は特に注意が必要です。

 

住所地特例とは、住民票のある市区町村の介護保険を、別の市区町村の施設に入居した後も継続して適用できる制度です。

 

転居によって市区町村をまたぐ場合、この特例の適用関係が変わる可能性があります。

 

参考:厚生労働省「住所地特例<参考資料>

 

ステップ5:引越し・新生活スタート

 

現在の施設の退去日と、新しい施設の入居日を調整し、契約を結びます。

 

重複して家賃が発生する期間をできるだけ短くするスケジュール調整がポイントです。

 

また、新しい施設に慣れるまでには時間がかかります。

 

入居後1~2週間は特に体調変化に気をつけ、こまめに面会・連絡を取るようにしましょう。

 

転居先の老人ホームの探し方

転居先の老人ホームの探し方
 
ここでは、転居先の老人ホームの探し方を3つに分けて紹介します。

 

自分で探す

 

インターネット上の老人ホーム検索サイトを使って、条件を絞り込みながら施設を探す方法です。

 

費用・場所・設備などを比較しやすい反面、実態をつかみにくい面もあります。

 

ケアマネジャー・ソーシャルワーカーに相談する

 

現在の施設の相談員やケアマネジャーは、地域の施設情報を豊富に持っています。

 

現在の状態に合った施設を提案してもらいやすく、最も信頼できる情報源の1つです。

 

老人ホーム紹介サービスを活用する

 

専門のアドバイザーが状況をヒアリングし、条件に合った施設を無料で紹介してくれるサービスです。

 

転居という特殊な事情(現在の施設の退去タイミングとの調整など)にも対応できるため、初めての方にも安心です。

 

老人ホームの転居先について無料相談するならこちら >> 【あなたらしく公式HP】

 

他の老人ホームへ転居するときの注意点

他の老人ホームへ転居するときの注意点
 
老人ホームの転居を考えるときは、以下のようなポイントに気を付けましょう。

 

  • 返還される費用について確認しておく
  • 原状回復費用を求められることがある
  • 転居先の体制をチェックしておく

 

それぞれ詳しく解説します。

 

返還される費用について確認しておく

 

老人ホームに入居一時金を支払っていた場合、退去時に一部が返還されます。

 

  • 入居後3ヶ月以内の解約:90日ルール(クーリングオフ)が適用され、入居一時金の全額返還が原則
  • 入居後3ヶ月以降の解約:契約書に定められた初期償却率と日割り計算によって返還額が決まる

 

長期入居からの退去になると、返還金が0円になることもあります。

 

参考:e-Gov 法令検索「老人福祉法(届出等)第二十九条

 

費用面の不明点があるときは施設に確認し、納得した上で解約の手続きを進めましょう。

 

原状回復費用を求められることがある

 

老人ホームからの退去の際には返還金を受け取れることがある一方、原状回復費用の請求をされる可能性もあるので注意が必要です。

 

原状回復費用とは、入居者が居室を損傷させたときに支払わなければならない費用です。

 

  • 【対象となる例】
  • 車いすや介護用品による壁・床の傷
  • 飲み物や薬のこぼれによる変色・シミ

 

ただし、自然劣化による損傷の回復費用を入居者が負担する必要はありません。

 

原状回復費用に関するルールは契約書に明記されているので、事前に確認しておくのがおすすめです。

 

参考:国土交通省「「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に関する参考資料

 

転居先の体制をチェックしておく

 

要介護度の変化や体調の悪化によって転居が必要となった場合には、転居先の老人ホームの介護体制医療体制を細かくチェックしておきましょう。

 

以下の項目は必ずチェックしてください。

 

  • 医師・看護師の配置体制(常勤か非常勤か)
  • 対応できる医療行為の範囲(胃ろう・気管切開・インスリン注射など)
  • 認知症ケアへの対応方針
  • 看取りへの対応可否

 

せっかく転居しても、必要とする介護や医療のケアを十分に受けられなければ意味がありません。

 

まとめ

老人ホームの転居は、状況が変わったときによりよい場所を選びなおす正当な行動です。

 

ただし、転居には費用・手続き・本人への負担など、押さえるべきことがたくさんあります。

 

まずは、本当に転居すべきかどうかのご相談からでも構いません。

 

1人で悩まず、専門家のアドバイスをもらうことが現状の不満を解決する近道です。

 

これからの生活を笑顔で過ごすため、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

>>「あなたらしく」を利用して希望の施設を探す

 

老人ホームの転居についてよくある質問

ここでは、老人ホームの転居についてよくある質問をまとめています。

 

今の老人ホームに転居を伝えた後、気まずくなりませんか?

 

介護スタッフは入退去に慣れているため、「気まずくなるかも?」と神経質になる必要はありません。

 

最後までプロとしてケアをしてくれます。

 

次の施設が決まる前に今の老人ホームを退去しても大丈夫ですか?

 

次の施設が決まる前に老人ホームから退去することはおすすめしません。

 

退去後に自宅へ戻ると、ご家族の介護負担が急増し、老老介護や介護疲れのリスクが高まります。

 

転居先でもクーリングオフ(90日ルール)は使えますか?

 

はい、新しい老人ホームでも新たに入居一時金を払った場合、その施設でも入居後3ヶ月以内の短期解約特例は適用されます。